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英語教育関連本・教材レビュー

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自己表現力をつける英語の授業

2008年9月25日


自己表現力をつける英語の授業
斎藤栄二 著
四六判 192pp.
本体2,000円
三省堂

生徒には自己表現力を、教師には授業力を!



突然だが、この稿を読んでくださっているあなたは「A型」あるいは「B型」のどちらだろうか。著者によれば、先生方は2通りのグループに分けられるとのことである。A型は“I cannot doグループ”、B型は“I can do a littleグループ”であるそうだ。

『基礎学力をつける英語の授業』の続編と位置づけられる本書は、前著と同様に対話形式を交えながら、著者の持論が展開される。その内容は、明日からの授業で実践できそうな英語指導法から、学校教育の歴史、時に人生論までと幅広い。どのページを開いても、今の授業を何とかしたいと考える中学、高校の英語教師への著者からのメッセージが伝わってくる。

実践的コミュニケーション能力の育成が学習指導要領で謳われてから、早いものでもう5年になる。その間私たちは教室で生徒たちと向き合い、自己表現力をつけようと試行錯誤してきたが、なかなか思うようには進まないのが現状ではないだろうか。著者は具体的な指導例として、まずは語彙の必要性を説き、Caption Methodを提案している。Captionとは映画の字幕のことだが、本書では生徒が分からない表現を(日→英、英→日ともに)教師が即時に与える方法を指している。このCaption Methodを活用できれば、スピーキング活動にもリスニング活動にも効果を発揮できるだろう。

さらに、日本人学習者の質問作成能力の貧弱さを指摘し、自分の意見を表現することができるようになるには、まず質問ができるようにならなくてはいけないと述べている。確かに、一方的に教師側から質問し、生徒はそれに答えるという活動ではコミュニケーションとは言えないのは道理である。

他にも、discussionへ向けての段階的な指導方法の紹介や、質問の時間の設定など示唆に富んだ章が続く。例えば第7章では、ペーパーを読み上げないでスピーチ活動をさせるためのRead and Look upの具体的な指導方法が紹介されているが、実に分かりやすく、すぐにでも実践してみたくなるほどである。

本書では、使える語彙を増やすために教科書の付録を積極的に利用することや、質問作成能力を養うために教科書から質問文を探して抜き出させる方法など、教科書のさらなる活用が提案されている。毎日の授業で当たり前のように使っている教科書の中にこそ、自己表現力の育成に結びつく可能性はまだまだあるのだと気づかされる。

教師は絶えず勉強をし続けなくてはいけないという著者の主張は、まさにその通りとうなずくほかない。願わくは、B型グループに属し、少しずつでも「授業力」を伸ばす努力をしていこうと思わせる好著である。

(神奈川県立相模原高等学校教諭 小松平由美子)

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出典:「英語教育」2008年9月号(大修館)
From "The English Teacher's Magazine" September 2008 Vol. 57 No. 6 (Taishukan)




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