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英語教育関連本・教材レビュー

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お祭り英語楽習入門 いじめは授業でなくす

2007年7月25日


お祭り英語楽習入門いじめは授業でなくす
阿原成光 著
A5判 286pp.
本体2,200円
三友社出版

「阿原ワールド」の集大成



最初にこの書名を見た時にはちょっと面食らったが、読めば読むほど元気が出てくる本である。

第1部「お祭り英語楽習事始」は、阿原先生の中学英語教師としての一代記だ。大学時代は学生運動に熱中、でも根は英詩が好きなロマンチスト。「阿牛」のペンネームで書いた詩2編と「よびかけ」が巻頭を飾っている。英作文は当時は下手の横好き。

卒業して先生になって、組合の活動家たちが作った新英研(新英語教育研究会)で活躍する。

40代で学年主任として校内暴力に直面する。孤軍奮闘、悩んだ末に般若心経に救いを見出す。次の学校はまるで天国みたい。そのころ4年にわたって本誌に授業実践の記録「がんばれ『ガンバリ教室』」を連載した。それに加筆したのが第2部「生きる励みになり、いじめをなくす授業づくり」だ。

感動教材と自己表現、これが阿原先生の授業の2本柱。感動教材といっても誰がやっても成功するわけではない。まず教師自身が感動する、その感動を生徒に伝えようと懸命に教える、その熱が伝わって教室に感動の渦が起こる。

阿原さんだって題材を選ぶ。その核心は「真実と愛」。一番のお気に入りは水俣の少女が書いた詩の英訳、"We Can Stand"、ついでチャップリンの「独裁者」の最後の演説、キング牧師の"I Have a Dream" などなど。第4部はそういった感動教材の資料集。第3部は英語教育政策についての発言。

「自己表現は自己確立への道」と信じる阿原さんは、舌足らずでもいい、未熟でもいい、少しくらい間違っていてもいいじゃないか、何か表現の意欲が見えたら励ます。そして阿原さんはやがて英語で5行の詩を書かせる。「中学生が英詩だって?」と疑う向きは140ページ以下の作品例を見よ。

自己表現は生徒だけがやるものではない。先生が率先してやってみせる。本書のあちこちに阿原先生自身の「自己紹介」やShow and Tellが載っている。「こんなでいいのか」と言う人も、「これくらいならできそう」と思った人も、まずやってみることだ。作文が苦手だった阿原さんもやっているうちに腕を上げて、終いには教科書の原稿まで書くようになる。

教員生活最後の中学校が、また都内でも有数の荒れた学校。阿原金八先生は覚悟を決めて臨んだ。毎日が父母参観日、後ろで親が見守る中、「発音三原則で大きな声を出して、いいことがあれば、一本締め、三本締め」と、まさに「お祭り英語授業づくり」。「教師は教科指導でこそ勝負」と言われれば、サブタイトルも納得。

本書は古希を迎えた著者の「阿原ワールド」の集大成であると同時に、厳しい教育環境の中でがんばっている先生方への何よりのエールである。

(元玉川大学教授 伊村元道)

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出典:「英語教育」2007年7月号(大修館)
From "The English Teacher's Magazine" July 2007 Vol. 56 No. 4 (Taishukan)




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