英語教育関連本・教材レビュー
注目の英語教育関連本・教材のレビューを毎月掲載。
根岸 裕 編
A5判・1,199pp.+CD-ROM
本体9,800円
瞥見して気づいたのは、経済・ビジネス英語の辞典として、過不足なく見事に統制の取れたものであるということである。個人で編纂される専門辞典にえてしてありがちな編者の独断による偏りが見られない。それは、「まえがき」でも触れられているとおり、長年にわたり幅広いソースから収集された資料を按配よく取捨選択した結果であろう。たとえば、「少子化」という言葉は必ずしも「ビジネス・経済」の用語ではないと考えられるかもしれないが、例文は「労働力不足」に関連付けたものになっている。
書名が示すとおり「表現辞典」なので、発信型を目的としており、見出し語は日本語で配列され、それに対する英訳があり、大半のことばについて、有益な例文が付されている。
「トレーサビリティー」「マネーロンダリング、資金洗浄」「セーフティーネット」など、比較的新しく一般の英語辞典にない用語もふんだんに取り入れられているので助かる。「待機電力」にもstandby powerと、最も多用される英語が与えられている。
何か苦言を呈することはないかと探していたところ、英語からの逆引き索引がないことに気づいた。しかし、添付のCD-ROM を使ってみて、それが杞憂であることがわかった。例えばbid-riggingやriggingで検索すれば、簡単に「談合」にたどりつく。それも「全文検索」をかければ、本書全体の中からその語の入った情報がすべて引き出せる。
米用法が中心になっているのは、この種の辞典として当然かと思われるが、「サマータイム」にsummer time、「アパート」にflatなど、英用法もあると親切かと思われた。
編集と出版に時間的ずれがあるため、出版直前の情報が入れられないのが残念だが、「防衛庁」を「防衛省Ministry of Defens[c]e」 に、また「マイクロクレジット、少額融資」を入れるなど、増補の機会に期待したい。
(元文教大学教授 長野 格)
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出典:「英語教育」2007年6月号(大修館)
From "The English Teacher's Magazine"
June 2007 Vol. 56 No. 3 (Taishukan)
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