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個々の生徒に合わせた語彙指導を
SELHi校の試み

京都外大西高等学校教諭
ローリー・ゼヌック・西出 (前田久夫訳)
Lori Zenuk Nishide
   
「英語教育」2007年2月号(大修館)→ 目次はこちら 定期購読はこちら
From "The English Teachers' Magazine" February 2007 Vol. 55 No. 13 (Taishukan)

学習のフォロー

1.語彙のテストと評価
生徒は、6週毎に100枚の単語カードの中から10枚の試験を個別的に受ける。日本語を見て、英語の単語を発音するテストである。80%以上の正答率であれば、生徒は別の100枚のカード学習に移る。合格できなければ、その100枚のカードの学習を続ける。評価は、作成されたカードの適否とテスト結果に基づいて行う。

2.生徒のやる気を起こさせるには
生徒は、GSL と AWL 語彙一覧表の中から学習する単語を自分で選ぶので、学習スタイルと進度の点で非常に個別的で取り組みやすいプログラムになっている。また、学習の進捗状況(語彙一覧表の中での到達度)を把握することで内因性動機付けを向上させることができる。教師は、生徒のやる気を削がないよう、不出来な状況を成績に反映させることは、最小限に止める。

3年間、単語カードと手動式コンピュータによる直接学習法を用いれば、どのようなプログラムで学習している生徒であれ、語彙学習においては2,000語以上の単語を身につけることができる。単語を深く理解し、しかも流暢に使えるようにするためには、インプットとアウトプット活動により語彙を繰り返し目にしたり、用いたりすることが必要である。

3.習得した語彙を活用させる
習得した語彙を活用させる1つの方法は、多読である。生徒は、多読プログラムの実践に当たり、内容を100%理解できなくても、知らない単語を文脈から推測する方法や、関心の持てる本をいかにして見つけるかの指導を受ける。生徒は各自のレベルに応じて多読を行い、学習した語彙をさまざまな文脈、形態、コロケーションで繰り返し目にすることになる。その結果、リーディングのスピードや理解力が向上し、英語への学習意欲が向上している。

単語の深さと流暢さを身につけさせる別の方法は、内容重視の授業の中で時間制限を設けたライティングやスピーキングの活動をさせることである。これらの活動は、学習した単語やコロケーションの認識力を高めることになる。語彙学習の鍵は、読み、聞き、書き、話す活動を通じて最も頻繁に用いられる単語に幾度となく出会うことなのである。

◆参考文献
Coxhead, A. (1998). An academic word list. Occasional publication number 18, LILS, Victoria University of Wellington, New Zealand.

Griffin, G. F. (1992). Aspects of the psychology of second language list learning, Unpublished Ph. D thesis, Dept of Psychology, University of Warick.

Mondria, J-A. & Mondria de-Vries, S. (1994). Efficiently memorizing words with the help of word cards and the ”hand-computer“: theory and applications, system, 22, 45‐57.

Nation, I.S.P. (1993). Measuring readiness for simplified material; A test of the first 1000 words of English. In M.L. Tickoo (Ed.), Simplification; Theory and Application (pp.193‐203). RELC Anthology Series, 31.

Schmitt, N Schmitt, D. & Clampham, C. (2001). Developing and exploring the behavior of two new versions of the Vocabulary Size Test. Language Testing, 18, 55‐88.

West, M (1953). A general service list of English words. London: Longman, Green & Co.

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「英語教育」2007年2月号


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【特集】新しい語彙指導のヒント
〜最新の研究と現場をつなぐ〜

学習語彙が年々減った学校現場、だからこそ効果的な指導が必要とされる。語彙力をつける活動や指導法を、裏付けとなる最新理論と共に紹介。

英語教育のための基本語をどう選ぶか:
コーパス言語学からの視点
石川慎一郎
人はどのように語彙を記憶するか:
脳波の実験から見えてきたこと
中野秀子
シャドーイングと語彙学習の接点
玉井 健
アウトプット活動で語彙力を伸ばす:
言語運用能力につながる語彙力を
横川博一
個々の生徒に合わせた語彙指導を:
SELHi校の試み
ローリー・ゼヌック・西出
語源を利用して効果を上げる:
予備校での語彙指導
竹岡広信
テストで測れる語彙力、測れない語彙力
望月正道
研究と現場をつなぐブックガイド
門田修平
[コラム]読解に必要な語彙サイズはどのくらい?
氏木道人
多読で語彙は増えるか?
氏木道人
[資料]主な語彙表一覧
石川慎一郎

■英語教育時評
■国際英語の視点を授業に
■菅先生に聞こう! 授業の悩みQ&A
■授業のここにフォーカス
■わかりやすい名詞の〈数〉と冠詞の指導

◆<巻頭エッセイ>American Sports Diary
◆Table Talk on ELT
◆映画から読み解くアメリカ
◆今月の時事英語[若者ことば編]
◆テーマ別ネイティヴの表現


大修館よりオススメの新刊

英語語彙指導ハンドブック

ジーニアス英和辞典第4版

小西友七、南出康世 編集主幹
3,465円(2色刷・B6変型判・上製・函入・2272頁)

進化を続ける「学習英和」の決定版

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より新しく。
最新英和として新語・新語義を多数収録。また、コーパスを利用した分析をふまえて、見出し語・ランク表示・語義の配列・語法注記・発音など、すべてにわたって現代英語の実態を反映した内容に刷新しました。特に用例は総点検をし、大幅な入れ換えをしました。

より詳しく。
ジーニアスの伝統である語法解説がさらに進化。小さな注記にも適切な用語と細かい工夫を心がけ、他の追随を許さぬ充実ぶりです。「類語比較」欄、「文法」欄のコラムなど、従来の辞書の枠には収まらない一歩進んだ内容も盛り込みました。

より見やすく。
豊かな内容を見やすく収録するため、ページの横幅を広げました。多義語の意味の総体がひとめで把握でき、目的の語義にすばやくたどりつける「語義展開図」を新設。特大見出しを採用し、レイアウトやコラムの囲みも、見やすい新設計のものに刷新しました。

より学びやすく。
例文では、よく使われる連語を太字表記。例文を読むごとに、有用なコロケーションが身につきます。原義・基本義欄、前置詞のイメージ図解など、ボキャビルに役立つ情報を増補・新設。定評ある語法解説だけでなく、教える・学ぶ立場に立った工夫が満載です。


時代が求める英和へと、ジーニアスは、常に進化します。

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