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イングリッシュ・キャンプで
生徒を鍛える!


新潟県立阿賀黎明中学校・高等学校教諭 水戸直和
Mito Naokazu
   
「英語教育」2006年6月号(大修館)→ 目次はこちら 定期購読はこちら
From "The English Teachers' Magazine" June 2006 Vol. 55 No. 3 (Taishukan)

街中を教室に!「アウトドア・レッスン」

このセミナーのメインイベントは2日目に実施される「アウトドア・レッスン」である。初日とは異なるALTと、新潟市内を自由に散策し、英会話を楽しめればと企画されている。生徒にも好評だ。しかし、実際、過去3年間行ってみると、積極的に英語で働きかける生徒がいる一方、話すきっかけを見出せずに消極的になっている生徒がいることがわかった。そこで、昨年度末のセミナーでは、生徒が話さざるを得ない環境を作り出すためにいくつかのミッションを用意してみた。これらは私が初めて英語圏で抱いた一種のカルチャーショック――現地の人々が予想を大きく超えた漢字への関心を持っていたこと、また日本人として自分が自身や文化について無知であったこと――がきっかけとなって誕生したタスクでもある。日常の授業でも練習が可能で、以後の海外研修や実生活において、生徒に応用してほしい内容とした。

Mission
1

手作り名刺を渡し、自分の名前に使われている漢字1文字とその意味を英語で説明せよ!

生徒:
ALT:
生徒:

This is my meishi card. Here you are.
Oh, thank you.
My name is Naokazu. Kazu is peace in Japanese. Nice to meet you.



Mission
2
街中の看板や標識中のカタカナ語を見つけ、それが英語として通じるものかどうかを確認せよ!
生徒:

Look at that sign, please. I can see B-I-L-L-B-O-A-R-D. Is it good English?


これらは事前に授業で準備を行い、生徒が台本を「読む」のではなく、複数の例を用いて「発話」の段階まで練習をする。セミナーはあくまでも実践の場であることを十分生徒に伝えておく。

Mission 1の準備段階で自分の名刺作りを通じ、生徒がまず実感するのが自分の名前に込められた保護者の気持ちだ。例えば「和」という1文字に、ある漢和辞典は9つもの語義を与えているが、生徒がそのうちどれを英語で説明するのか、選択に頭を悩ます姿は私たちにとっても興味深い。

また、あえて、昼食をとらざるを得ない時間帯にスケジュールを組んでいる点も特徴だ。いつ、どこで、何を昼食として取るのかをALTや友人と英語で会話をする。ちょっとしたサバイバル・イングリッシュを経験するのも大切なミッションと言える。

約3時間の散策を終え、宿舎に戻ってきた後は、その内容を模造紙にまとめ、英語でプレゼンテーションを行う。前掲のミッションはあくまでもきっかけであり、生徒がそれ以外にどのような会話を交わしたのかが垣間見られ、セミナー最大の盛り上がりを見せる場面である。これは、生徒の引率はもとより、初日の歌の活動同様、よりよい発表を目指し、手腕を発揮しながら指導にあたってくれたALTのおかげである。感謝したい。また普段接していないALTの指導法に触れることは私たちにとっても勉強になる。

なお、プレゼンテーションという手法についてだが、私は高校生のみに指導している頃、これが中学校でこれほど頻繁に行われる活動であることに気づかなかった。「高校生ともなればそんなことはしない」との思いも正直あったが、海外研修の引率等で現地の高校生と接するたびに、その導入はむしろ必須と痛感する。自己反省の念も込め、高校における自己表現活動のさらなる充実を提案したい。

セミナー成功の裏側には

このセミナーの実施にあたっては、数人の実行委員と班長が各学年から選出され、企画と運営を担当している。本中学校の場合、全生徒の5分の1がこれらの役割にあたっており、目標やテーマの作成、しおりの作成(パソコンを用いて英語で入力させる)の他、歌の選曲、また各活動前後の挨拶や発表会での司会を担う。そのための原稿作りと練習には1週間程度を要し、生徒も教員も粘り強く取り組む必要がある。この準備期間もセミナーの大切な一部だ。しかも、興味深いことに、テストで「英語が苦手」と判断されてしまう生徒も、これらの係に意欲的に志願し、見事にその任務を終えることが多い。

開講式での「目標」発表をする実行委員の姿は若干緊張感を帯びている。しかし、閉講式で「感想発表」をする頃、どの生徒も自信に満ちている。引率する他教科の職員が生徒に負けじと奮闘している姿も生徒にとって大きな刺激となるだろう。

このセミナーはわずか2日間ながら、英語の楽しさと難しさを実感させ、生徒や教師にも更なる英語学習へのきっかけとなっている。最後に、ある生徒の感想を紹介し、本稿を締めくくりたい。

I enjoyed this seminar very much. We went to NEXT 21 and saw a beautiful view from the top. We ate Indian curry at a restaurant. This seminar will be a good memory. I love English!

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「英語教育」2006年6月号



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【特集】今からできる 英語イベントのすすめ

新年度が始まって1か月ちょっと。今年こそはと始めた授業も、早や停滞気味。生徒には英語嫌いの兆候さえ見られる。ここで、何か彼らを再びやる気にさせる強烈なモチベーションがあったなら・・・。短期・長期の目標を持ったイベント学習で、生徒たちの目を生き返らせてみよう。

英語イベント指導のすすめと心得
原田昌明
スキット・紙芝居・カルタetc.で授業を活性化
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選択授業でのオリジナル英語劇
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A Writing Revolution:
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■英語教育時評
■授業のここにフォーカス
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◆Table Talk on ELT
◆映画から読み解くアメリカ
◆今月の時事英語[若者ことば編]
◆テーマ別ネイテイヴの表現

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英語力とは何か

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1,680円(四六判・258頁)

英語力とは、日本語力とは別の能力か? TOEICやTOEFLで測れる力なのか? そしてどうすれば育てられるのか? 著者は英語力とは何よりもコミュニケーション力、運動能力であり、力を付けるには日本語を鍛える必要があるとする。「英語力」の本質を正面から問い直し、学校教育で育てるべき力と優先事項を明らかにした力作。

第1章 英語力を考える
 1 英語力をどう捉えるか
 2 英語力をどう定義するのか

第2章 英語力を測る
 1 数値化の意味
 2 能力テストは何を測るものなのか

第3章 英語力を研究する
 1 テスティング研究の流れ
 2 コミュニケーション能力としての英語力

第4章 英語力を育てる
 1 英語力育成のための要件
 2 英語力をどう育てるか

あとがき
主要参考文献

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