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電子辞書指導の視点:
必要は「使用」の母・「使用」は継続の友



埼玉県立皆野高等学校教諭 中畝 繁
Nakaune Shigeru
   
「英語教育」2006年3月号(大修館)→ 目次はこちら 定期購読はこちら
From "The English Teachers' Magazine" March 2006 Vol. 54 No. 13(Taishukan)

憧憬遥か

小学校4・5年生の時、先生の指導に従い、金田一京助先生監修の分厚い国語辞典を使い始めた。なんだか少し偉くなったような気がした。

中学2年の時の国語の先生は、辞書通で、クラス全員に毎授業必ず机上に国語と漢和辞典を置くことを義務付け、徹底した使い込みによる辞書指導を通した厳しい国語教育を1年間続けて下さった。それに対して英語の先生は今思うに最小単位の反復暗唱優先の習慣形成論者だったから、単語に関しては教科書の巻末の対訳語彙表で間に合った。そんなわけで単語帳はまめに作ったが、英和辞典を使ったことは無かった。当時は現場に応用をせかす「総合的学習の時間」などなかったから、各先生が専門家としての自分の信念に従い星一徹が飛雄馬に大リーグボール養成ギブスを課すように基礎基本を叩き込んでくれた。

高校に入り、こづかいで英和・和英・古語辞典を新たに買い足した。身銭を切ったせいか、「使わにゃ損損」とドライブがかかり、また自力で予習をこなす必要から、辞書指導などなかったが、これらの辞典も試行錯誤で使えるようになった。今思うに、前駆として国語・漢和を使い慣れていたことと、中学で叩き込まれた英語の基礎文法・語彙がしっかり定着していたことが高校での英和を友とした自学を支えてくれたように思う。

王道からの逸脱

辞書の王道は紙だ。電子ではない。それが証拠に携帯型電子辞書の筐体に搭載されている辞書のほとんどは紙のコンテンツを流用しているだけだ。だが、今の多くの生徒はこの王道を歩んではくれない。これが現実だ。

高校入門期はまず「紙」からという辞書協会の呼びかけはもっともだが、軽薄短小が好きな生徒たちの選択は、軽量小型で多機能の電子なのだ。孤塁を守るのはもう諦めた方がよいのだろう。

根っからのアナログ人間の私は、ケータイが苦手だ。だが生徒はケータイが大好きで、その耽溺(たんでき)の様は時には依存症のように見えなくもない。ならば彼らのこの熱意を流用・善用しよう。そんなふうに気持ちを切り替えて紙と電子が混在する教室で、断続的に辞書指導を行っている。狙いは、学校で科目として付き合い出した英語君(さん)と学校後も、自立した学習者として引き続きお付き合いをしてもらいたい、ということだ。役回りはお節介な仲人のようなものだろうか。指導者としての戦略は学習者のニーズに合わせるということになる。(記述の重複を避けるため、1年生に対する指導の視点とメニューの概要は拙稿『自立をめざして「前へ」』[『GCD 英語通信第38号』所収]をご参照のこと。また同内容の PDF 版は大修館書店の GCD English Teachers' Roomのサイト(http://www.taishukan.co.jp/gcdroom/)から入るとご覧いただける)

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「英語教育」2006年3月号



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【特集】「辞書」の使い方・使わせ方

紙の辞書、電子辞書、コーパスなど様々な「辞書」のある時代、溢れる情報の中で、すぐ答を知りたがる生徒にどう指導するか。教師自身はどう活用できるか。“使える”辞書の最新ガイド。

<生徒にどう使わせる?>  
中学校での辞書指導:ハジメの一歩 関 典明
高校での辞書指導 工藤洋路
電子辞書指導の視点:
必要は「使用」の母・「使用」は継続の友
中畝 繁
<教師も使いこなそう!>  
英語教師をめざす人のための辞書活用ガイド 村野井 仁
ネット辞書、コーパス、新しいレファレンスの使い方 西納春雄
文法・語法を調べたいときのお奨めは 西澤正幸
<辞書を読む・辞書を楽しむ>  
語義のあり方について 国広哲弥
翻訳者の事典の読み方 若島 正
引用句辞典の楽しみ方 豊田昌倫
[コラム]  
最初に教えておきたい辞書の読み方 池田真澄
辞書のレーベルを読もう 井上永幸
子どもと英語辞書で遊ぶ 久埜百合

■英語教育時評
■菅先生に聞こう! 授業の悩みQ&A
■大学の英語の授業をデザインする
■英語の辞書を考える(最終回)
■ゆかいな仲間たちの「授業見学」(最終回)
■新しい教室英文法

◆英国の中世神話・伝説の世界
◆〈巻頭エッセイ〉英語ダイアリー(最終回)
◆本当はコワイ! イギリスホラー(最終回)
◆アメリカ都市物語(最終回)
◆柴田元幸の洋書びっくり箱
◆使ってみよう、ネイティヴの表現(最終回)

大修館よりオススメの新刊

スタンダード英文法

中島平三 著(なかじまへいぞう)
1,260円(A5判・160頁)

英文法概論用の新しいテキスト。「主語」→「助動詞」→「動詞」と、英文 が構成されている順序に解説を進めてゆくことで、英文法の知識だけではな く、英文の構造もつかめるようになっている。伝統文法に新しい知見も加味 した、これまでとはひと味違ったコンパクトな「大学英文法テキスト」の誕生。

はじめに
第1章  文――英文全体を概観する
第2章  主語
第3章  助動詞
第4章  動詞
第5章  目的語
第6章  補部
第7章  付加部
第8章  従属節
主要参考文献
索 引

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