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やる気も双方向で!


長野県須坂園芸高校教諭 室井 明
Muroi Akira
   
「英語教育」2006年1月号(大修館)→ 目次はこちら 定期購読はこちら
From "The English Teachers' Magazine" January 2006 Vol. 54 No. 11(Taishukan)


「反省」ではなく「分析」を

テストの出題傾向を生徒に示すようになって、確かに意識は少しずつ変わってきた。しかし、それでもまだ変われない生徒もいる。そんな生徒をどうしたらよいのかと考えた末、生徒にもっと細かいチェックシートを配ることにした。

Check Sheet(チェックは、◎→○→△→×で)
Lesson 3 1週間前 前日
本文が音読できる
内容がわかる(だいたい和訳できる)
単語の意味がわかる
熟語がわかる
動詞の過去形がわかる

試験の約1週間前に、今回の試験の範囲についてのポイントを書き出したこのようなチェックシートを生徒に配布する。そして、その時点での各自の理解度を記入させるのである。試験までに自分が何をすべきなのかをはっきりさせるのが目的なので、管理的にならないように気をつけたい。

同じ項目に対して2回チェック欄を設けてある。試験1週間前と前日の理解度をそれぞれ記入するように指示した。ただ「勉強しろ!」と言うのではなく、このシートを目にすれば、少しは「やらなくちゃ」という気持ちになってほしいと願ったからである。これは当たった。その成果が冒頭の会話につながったと思う。

テスト返却の後、生徒にチェックシートを見直させながら「今回のテストの分析をしなさい」と促した。「反省」という言葉を使うと、生徒は無意識に悪いところだけを書こうという気持ちになりやすいが、「分析」ならば悪かった点だけでなく良かった点にも思い至り、肯定的に次にどうしたらよいかが判るのではないかと考えたのだ。

生徒の分析には次のようなものがあった。
〈事前の準備〉
・規則動詞はわかったけど、不規則動詞がわからなかった。
・本文の内容はなんとなく理解できたけど、理解度は50%だった。
・わかるところを重点的に勉強して、わからないところをそのままにしてしまった。
〈次回に向けて〉
・直前のテスト勉強よりも、日々の授業を大切にする。
・単語を覚える。特に、綴り。
・80%以上は理解するようにする。

単に「反省」を書けと言っていた時は、「ダメだった」とか、「まあまあできた」くらいしか書かなかった生徒でも、具体的に何をするかをしっかり書くようになったことがわかる。また、同時に、生徒の求めていることが浮かび上がってきて、私自身の授業を振り返り、改良することにもなる。


やる気がないように見える生徒でも、いろいろな場面を捉えて「セルフ・エスティーム」を高め、「やる気」を喚起すると、驚くような結果がでることは決して珍しいことではない。

それと同じことが、教師の私にも言えるのかもしれない。いろいろ工夫して成功体験を重ねれば、自分もますます「やる気」が出てくる。優れた実践に学んだり、興味深いワークショップで刺激を受ける機会も糧になると思う。

授業は教師と生徒のコラボレーションである。「やる気」も双方向でありたいと思う。

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「英語教育」2006年1月号



月刊「英語教育」について

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【特集】「やる気」を引き出す

英語への興味を引き出し、かつそれを持続させるにはどうするか。既に苦手にしている生徒、力はあるのに無関心な生徒への対し方は? 英語学習への「やる気」「動機づけ」を理論と実践の両面から考える。

最初の1歩:入門期・再入門期 泉惠美子
やる気も双方向で! 室井 明
やる気を継続させるための年間計画 本多敏幸
「やる気」をどう測るか 廣森友人
「やる気」の心理学 山森光陽
教師のやる気はどこから生まれる? 吉田達弘
動機づけ理論からの指導ストラテジー 米山朝二
<コラム>  
生徒の“苦手”のみつけ方 松下信之
生徒の声から:やる気が出た/
やる気をなくしたきっかけ
村越亮治
クラリネットの練習から「やる気」
を考える
松本 茂

■英語教育時評
■菅先生に聞こう! 授業の悩みQ&A
■大学の英語の授業をデザインする<新リレー連載>
■英語の辞書を考える
■新しい教室英文法
◆英国の中世神話・伝説の世界
◆〈巻頭エッセイ〉英語ダイアリー
◆本当はコワイ! イギリスホラー
◆カタカナ語文化論:日本語と英語の狭間に漂うもの(最終回)
◆柴田元幸の洋書びっくり箱
◆アメリカ都市物語
◆使ってみよう、ネイティヴの表現

大修館よりオススメの新刊

[基本単語徹底活用]英語のクロスワード101

山岡憲史 著(やまおか けんじ)
1,260 円 (B6判・232頁)

日常の中で頻繁に用いる基本単語1400を、楽しみながら確実に身につけるためのクロスワードが101題。日本語訳だけでなく、書き換え、空所補充など、問題形式も多彩で、ぜひ身につけておきたい単語を、パズルを解くうちに自然と繰り返し学ぶことができる。

【本書の特色】
クロスワードの魅力を英語の勉強に生かして、愉しみながら英語力をつけることができるなら、知らず知らずのうちに英語の知識も増え、英語に対する感覚が身につくはず――この本は、そんな願いを込めて作ったものです。遊びながら最大限の英語力をつけてもらえるよう、パズル面の語を覚えるという「語彙増強効果」のほか、タテ、ヨコのカギからもできるだけ多くの英語を学んでもらおうという意図を込めました。

パズル面では略語・難語をできる限り排除して、頻繁に使われる基本単語1,400語を取り入れました。また、従来のクロスワードパズルの多くが、カギに類義語や単語の意味だけしかしるしていないのに対し、本書では、熟語や言い換え、ことわざなど英語の基礎的な知識をふんだんに盛り込みました。さらに、例文や背景的知識・文化情報などにもできる限りの紙面を割いて、単にパズルのヒントであるだけでなく、語の使い方やイメージが理解できるように工夫しています。(「まえがき」より)

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