ここで、添削指導の道具を選んでみよう。添削指導で軌跡を残さないのは、宝を半分捨ててしまうようなものだ。紙も保存・閲覧できればよいわけだが、インターネットは、紙よりそれが得意だ。保存しやすいだけでなく、指導や学習に、即座にも、後でも活かしていける副産物が増える。「interaction
を密にできる」「足跡を記録できる」という大きなメリットの他、さらに、指導を公開すると、「人の振り見て我が振りを直す」環境を実現することもできる。Web
を完成品の発表の場だけとするのは惜しい。例えば関係者だけがアクセスできる「作業の場」を web
上に作ることは、クラスにとって大変有用だ。私の場合は、先輩の添削指導の軌跡を、現学期の受講生が見に行くことができるようにしている。自分が受けている指導の先を、学生が見通すのに役立っている。
最後に、添削指導の方法について触れておきたい。実は私も、長年せっせと direct correction
を与えてきた派だ。手本からきっと学んでくれるだろうと信じていた。しかし、correction の根拠を自発的に理解し、次のライティングに自主的に活かすには、かなりの学習力と英語力が必要だ。
web 掲示板の形式も多様だが、私が添削指導に選んでいるのはフォルダ型掲示板。各学生に個人フォルダを与え、添削指導を受けさせている。個人フォルダはいわば学生のデジタルノートということになる。学生が作文を載せると、私は修正が必要な箇所に、20色以上の“ペン”で、色塗りを始める。ラインマーカーを何色も持ち、作文に色塗りをするのに等しい。例えば「三単現の
S は赤色」というように、エラーによって色があらかじめ指定されている。学生は、塗られた色からエラーの種類を判断し、修正方法を自分で調べて修正していかなければならない。たとえ20語の作文でも、完成するまでの指導の繰り返しが、掲示板に残されていく。個人フォルダ内には、各課題ごとにファイルがあり、添削指導と学習の経緯が残されている。個人フォルダ入口には、個人のエラー数のランキングが、クラス入口には、エラーのクラス集計ランキングが、リアルタイムで表示されるようにデザインされている。この手法の詳しい説明は、別の機会としたいが、統計を通じて教師も学生もエラーの傾向を瞬時に把握できる等、学習と指導に活かせる機能は見逃せない。筆者の「添削道場」の見学は下記で。
(http://dojo.lc.chubu.ac.jp/)
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