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授業を変える「評価」
スピーキングテストの実践から


江東区立東陽中学校教諭 杉本 薫
Sugimoto Kaoru
   
「英語教育」2005年7月号(大修館)→ 目次はこちら 定期購読はこちら
From "The English Teachers' Magazine" July 2005 Vol. 54 No.4 (Taishukan)


何を教える? …ゴール地点を決める

評価規準表を作成する作業は、平成14年度を迎えるときに誰もが体験した。急激な変革であったために、この作業は学校の独自性や教師の自主性の名の下に、個々の教師の工夫に任されていた。各地区の英語部会や研究会で取り組んだところもあったが、実際にどのような書式であればいいのかすらよく分からない状況もあり、混乱していたことも事実だ。

平成15年度東京都中央区の英語部会はもう一度この作業に取り組んだ。同じ教科書を使い同じ地域の生徒を指導するという共通の環境にある教師にとって必要な作業と思われたからだ。約半年をかけて議論を重ねながら、中央区英語部会としての評価規準を作成した。(評価規準表参照

評価規準を検討するということは言わば教師の願いである指導目標をすりあわせる作業である。日頃の指導経験からさまざまな角度からさまざまな到達目標が俎上にあがった。同時に新たな疑問点も生まれた。例えば次のような規準を考えたものの、これらは一体どのような方法で評価すればいいのだろうか。

03 間違いをおそれず英語を使おうとする態度が見られる。(関心・意欲・態度)  
05 英語を使って、質疑応答、確認、聞き返し等のやりとりができる。(表現の能力)  
06 自分について説明したり、自分の考えや気持ちを話すことができる。(表現の能力)  

これらは「話すこと」の指導の一部として考えられたのだから、筆記試験で確認することは不可能である。しかし、授業中の発話状況だけを根拠とするには記録方法が難しい。ゴールができたら、そこでの判定方法が必要になってきた。

評価規準表
(1) 英語科評価規準表 (version 1.0 平成15年9月22日中央区教育会英語部作成)
コミュニケーションへの関心・意欲・態度
01 英語で進められる授業に、英語を使いながら参加することができる。[(1)(2)(3)]
02 段階に応じて用意された言語材料を適切に活用して、言語活動ができる。[(1)(2)(3)]
03 間違いをおそれず英語を使おうとする態度が見られる。[(2)(3)]
表現の能力
04 発音、イントネーション、強勢、区切り等に留意し発音することができる。[(1)]
05 英語を使って、質疑応答、確認、聞き返し等のやりとりができる。[(2)]
06 自分について説明したり、自分の考えや気持ちを話すことができる。[(2)(3)]
07 アルファベット、単語、英文を正確に書くことができる。[(1)(2)]
08 内容を正しく伝えることを意図して、英語を書くことができる。[(1)]
09 いくつかの英文を用いて、まとまりのある内容を書くことができる。[(2)(3)]
10 教科書程度の英文を、内容を理解して音読することができる。[(1)]
11 英文の内容をより深く伝えることを意識した音読ができる。[(2)(3)]
理解の能力
12 教科書程度の英文を精読し、大意をつかむことができる。[(1)]
13 教科書程度の英文を内容を理解しながら速く読むことができる。[(1)]
14 英語の音声上の特徴をふまえて、文字や語句、英文を聞き取ることができる。[(1)]
15 大意(概要)や話者の意向を聞き取ることができる。[(2)(3)]
16 聞き取った内容に適切に反応できる。[(2)(3)]
言語や文化についての知識・理解
17 英語の語い・文型・文法・語法について正しい知識を持ち、状況や場面にふさわしい表現を選ぶことができる。[(1)(2)(3)]
18 自分たちの日常生活と異なる文化や生活についての正しい理解と認識を持つことができる。[(3)]
19 国際社会に生きる日本人としての自覚を持って、自らの文化について語ることができる。[(3)]

(2) 学習活動(言語活動等)と評価の方法
(1) 英語で発信する準備の学習  
  [聞く・読む]受容方法、[書く・話す]送信方法を中心とした練習。ある程度の正確さを求める。  
(2) コミュニケーション(を意識した)活動  
  意見、考えや情報のやりとり(双方向性)を意識した言語活動。内容を伝えるための適切な発信を求める。  
(3) コミュニケーションをより深める学習  
  英語の特徴(音声・語法等)を学ぶ学習。目標とするレベルにふさわしい正確さを求める。  

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「英語教育」2005年7月号



月刊「英語教育」について

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【特集】「評価」のゆくえ

平成14年度から「絶対評価」が導入されて3年、実践を通して「評価」をあらためて考える動きが盛んだ。どんなテストをするかも含め、効果的な評価方法を見直し、評価の「現在」と「これから」を探る。

どうなった? 観点別・絶対評価

根岸雅史
[誌上研修]目標準拠評価の客観性を高める:
モデレーションプログラムを使って
佐々木弘記
こういう評価だけはやめたい! 松沢伸二
評価の現在とこれから 平田和人
授業を変える「評価」:
スピーキングテストの実践から
杉本 薫
意欲を促すリスニングテスト 山本恭弘
「コミュニケーションへの関心・意欲・態度」を
捉える、みとる、育む
山森光陽
生徒の自己評価力を育てるために:
「伸びよカード」の活用
友野直己
目的に応じたテストの活用法:
正しい評価のために
清水公男

■〈リレー連載〉英語教育時評
■〈リレー連載〉英語の辞書を考える
■菅先生に聞こう! 授業の悩みQ&A
■〈新リレー連載〉新しい教室英文法
◆〈巻頭エッセイ〉英語ダイアリー
◆本当はコワイ! イギリスホラー
◆カタカナ語文化論:日本語と英語の狭間に漂うもの
◆大地の声:ネイティヴ・アメリカンの智慧の言葉
◆柴田元幸の洋書びっくり箱
◆使ってみよう、ネイティヴの表現
◆アメリカ都市物語

大修館よりオススメの新刊

パンクなパンダのパンクチュエーション

リン・トラス 著、今井邦彦 訳
1,575円 (四六判・256頁)

無敵の英語句読法ガイド
アポストロフィーの欠落、コンマの乱用、コロン・セミコロンに至っては使い方さえ分からない・・・。句読点をこよなく愛する著者が、句読法の歴史をひもときつつ、本家イギリスでの誤用の数々をユーモアたっぷりに批判した痛快無比の知的エッセイ。イギリスで140万部、アメリカで100万部のあのペストセラーがついに日本上陸!

■目次
謝辞
序章――第七感
アポストロフィは御しやすい
それで十分だよ、コンマ君
お上品ぶり
格好を付けて
ハイフン――あまり使われない句読記号
ただの決まりきった印

■カバーより
Eats、 パンダが1頭、カフェでサンドイッチを食べている。
Shoots 突然拳銃を取り出し、天井に向けて2発撃つ。
&Leaves パンダをそのまま出口へ向かう。
わけがわからなくなったウェイターが「どういうことです」と訊く。
パンダは野生動物解説書を投げて寄こし、「俺はパンダだ。」と言う。「読んでみな。」
ウェイターは該当する個所を読んで、納得する。

"Panda. Large black-and-white bear-like mammal, native to China. Eats, shoots and leaves."
<訳>【パンダ】黒と白の体色を持つ熊に似た大型哺乳類。中国原産。食べ、撃ち、立ち去る。
→コンマが無かったら、「芽(shoots)や葉っぱ(leaves)を食べる」となるのだが・・・。

大修館書店ホームページ「燕館」

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