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Oda Tomohiko / Morikoshi Kyoko / Ueno Yukie / Yoshida Midori / Sasaki Masashi
   
「英語教育」2005年2月号(大修館)→ 目次はこちら 定期購読はこちら
From "The English Teachers' Magazine" February 2005 Vol. 53 No.12 (Taishukan)


情報通信環境の発達は、英語教育の改善にも大きな可能性をもたらす。インターネット上のリソースを授業に生かすばかりでなく、プロジェクトを協同運営することにより、オンライン上で教員同士が情報や経験を共有し、新たな視点を得ることも可能である。ここでは、勤務校の枠を越えて構築、運営したプロジェクトの例を紹介する。

授業の目的と対象学生

今回のプロジェクトでは、あまり英語でのライティングの経験がなかった学生を主な対象に、コンピュータやインターネットを活用し、英語での自己表現力を伸ばすことを目指した。併せて、このような活動の際に生じ得る問題点・留意点への注意を促すことも目的としていた。

対象となる学生の英語力の指標としては、G-TELP注1) の Level 4 を用いた。同テストは学生にとっても取り組みやすく、安価・短時間(65分)で実施できることが魅力であった。また、参加校のクラス毎ではなく、プロジェクトチームとして一括で申し込み、実施時には各校それぞれにテスト資材を送付するなど便宜を図っていただいた。

授業の概要

  Lectures & Activities Writings Writing Topics
Class 1 G-TELP(65分)    
Class 2 Questionnaire 1(5分) Pre-Writing(40分) 私の2003年(1)
(My Unforgettable Experience of 2003)
Class 3 On-line辞書 説明・ワークシート、パラグラフ構成の説明(45分)    
Class 4 翻訳機能 説明・ワークシート(45分)   (次回のトピックについて連絡)
Class 5 復習(5分) Writing課題1(40分) 私が学んでいること・私の専攻
(My Major)
Class 6 Rephrasing 説明・ワークシート(45分)   (次回のトピックについて連絡)
Class 7 復習(5分) Writing課題2(40分) 「自分の名前」を紹介する
(Introducing My Name)
Class 8 資料の明記 説明・ワークシート(45分)   (次回のトピックについて連絡)
Class 9 復習(5分) Writing課題3(40分) 「私の町の問題」
(One of the Important Problems in My Town)
Class10 Questionnaire 2(5分) Post-Writing(40分) 私の2003年(2)
(My Unforgettable Experience of 2003)

プロジェクトの全体像は表に示したが、ここでは、その主要な部分について、順を追って述べたい。まず Class 3 と 4 は、どちらも文脈から乖離した逐語訳など、ことばの適切な使い方の問題に深く関わる。

1.オンライン辞書
学生は辞書で調べた語句を、文脈を考えずに機械的に文章に当てはめてしまいがちだ。和英辞典だけに頼り切ったと思える「ぎこちない」英文にいつも頭を痛めている教員は多いのではないだろうか。もちろん辞書指導から徹底するべきなのだが、ここではインターネット上の辞書を使って、たくさんの例文に目を向け、文脈をしっかり考えて語句を選択し使用するように指導した。英辞郎(http://www.alc.co.jp)や、音声も聞くことができるエキサイト辞書(http://www.excite.co.jp/dictionary/)を紹介し、実際に語句の意味を調べるアクティビティを盛り込んだ。さらに、オンライン英英辞書を紹介し、平易な英語の説明文や、それによる語のニュアンスの違いに気づかせることを目指した。Longman Web Dictionary (現在は Longman Dictionary of Contemporary English ONLINE: http://www.ldoceonline.com/) および、Oxford Advanced Learner's Dictionary: (http://www.oup.com/elt/oald/) が使いやすい。

2.機械翻訳サイト
辞書の問題に関連して、見逃せないのが、機械翻訳サイトである。多くの学生はすでにその存在を知り、実際に使用している。特に「英語は嫌いだ・苦手だ」という学生が、このサイトを利用しているようである。それでさらに問題が悪化する。教員からすれば、すぐに「翻訳サイトを使ったな」と察しがつくのだが、学生は翻訳機能にすがってどうにか課題をクリアしようとするのである。放っておいても蔓延するこの翻訳サイトに手を打たないのは、やはり問題であろう。そこで、場合によっては翻訳機能に危険性のあることを認識させ、活用するにはどんな点に注意するのか、また、その機能の限界を説明することが、われわれの使命ではないだろうか。

Class 4 では実際に、翻訳サイトにアクセスし実験をする課題を取り上げた。「今日、お昼にカレーそばを食べた」という文章が "*Curry side was eaten today at lunch." になってしまうのを見れば、かなりの恐怖を覚えるだろう。

3.ローマ字表記の言い換え
Class 6 のテーマは、ライティングの中で安易にローマ字を使用してしまうという問題点に関連し、特に日本文化や若者文化に関連する内容を平易な英語で適切に言い換えることを重視した。これは海外の学生と E メール交流をする中で、頻繁に出てきた問題であった。日本文化や身近なことを説明するときに、ローマ字で表記しただけで、英語の説明を加えないという場面が何度かあった。やはり、それを簡単な表現で説明できる力も必要であると考え、rephrase の練習や、日本紹介のサイト(例:http://www.japan-guide.comhttp://www.into.go.jp/eng/illustrated/index.html/)で、どのように英語で説明されているかを観察した。例えば、北海道の食文化でよく話題になるラーメンについての説明は、前者のサイトに詳しく掲載されていたので、このページを見ていればもっと楽に文章を考えることができただろうにと、数年前の学生の大変さを思い返した。

4.資料の明記
Class 8 は、情報化の進展で「コピー・ペースト」がますます容易になる中で、インターネット上の資料の明記とその必要性、及びネットからの正式な引用形式に慣れることを目指した。学生は罪の意識なく軽い気持ちでインターネット上の資料をコピーし、自分の文章のように貼りつけて使用することがあるが、その行為自体の問題性に気づかせなくてはならない。課題としては、英語学習者にとって最も取り組みやすい英字新聞サイトの1つ、『週刊 Student Times』(http://www.japantimes.co.jp/shukan-st/) を紹介し、記事に目を向けさせ、それを資料として活用するにはどのように明記するのか、練習問題に取り組んだ。


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