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ネイティブ教師向け
学習ストラテジー指導は
5段階アプローチで
明治大学教授 尾関直子 Ozeki Naoko
「英語教育」 2004年10月号(大修館)→
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From "The English Teachers' Magazine" October 2004 Vol.
53 No.7 (Taishukan)
ストラテジー指導の5段階アプローチとは?
学習ストラテジーの指導手順は、「準備段階(preparation)」、「提示段階(presentation)」、「練習段階(practice)」、「評価段階(evaluation)」、「応用段階(expansion)」という5つの段階で成り立っています(Chamot,
Barnhardt, El-Dinary, & Robbins, 1999) 2) 。この5つのステップで、どのように学習ストラテジーを指導し、学習者のメタ認知能力を育てていくのか、具体的なレッスン・プランで見ていきます。ここでは、高校生用のタスク、「いじめをなくすために、自分は何ができるかについて作文をする」を使います。指導したいストラテジーは「背景知識を活性化させる(Activate
Background Knowledge)」というストラテジーです。
(1) 準備段階(preparation)
最初の準備段階では、学習ストラテジーをどの程度知っているのか、また、学習ストラテジーをどの程度活用しているのかを、学習者に考えさせることが重要です。ここでは、トピックを与えられ作文をするとき、どのように作文をしているのかを学習者に質問したり、学習者同士で話し合わせたりします。どのような学習ストラテジーを使っているのかを学習者に意識させるためです。いままで、どのようにタスクと取り組んできたのかを学習者に内省させることは、メタ認知を育成するうえで非常に重要な学習活動です。
(2) 提示段階(presentation)
次の提示段階では、与えられたタスクを遂行するのに最も効果的であろうと思われる学習ストラテジーを紹介します。このレッスン・プランでは、「背景知識を活性化させる」という学習ストラテジーを紹介しています。ストラテジーを学習者に紹介するときには、そのストラテジーは、どうして役立つのか、どのように使うのか、どういうときに使えばいいのかを明確に説明する必要があります。なぜならば、教師の明示的説明により、「学習ストラテジーを用いれば、タスクを遂行するのに役立つ。学習ストラテジーを身につければ、自分の英語能力の上達に役立つのだ」というメタ認知を学習者が持つことになるからです。
学習ストラテジーを明示的に説明した後は、どのように背景知識を活性化させればいいのかを教師が実演して学習者に見せます。また、「背景知識を活性化させる」というストラテジーは、作文を書くときだけではなく、スピーチの内容を考えるときや、テキストを読むときにも役立つということに言及すると、学習者は学習ストラテジーを応用しやすくなります。
(3) 練習段階(practice)
練習段階では、教師に助けてもらいながら、学習者が「背景知識を活性化させる」という学習ストラテジーを使う練習をします。学習者は、ニュースで見たり、新聞記事を読んだりして知っている、いじめに関する事件や意見を思い起こし、クラスメートと意見を交換したり、実際にいじめの現場に出会ったなら、どのように対処するかなどを考えます。学習者が考えたことを、グループやペアで意見交換させて、その後クラスで発表させるのもよいでしょう。
このようにして、いじめをなくすために何ができるかについて、背景知識を活性化させたら、学習者は、実際に作文を書き始めます。
(4) 評価段階(evaluation)
評価段階は、学習者のメタ認知能力を育てるうえで、きわめて重要な段階です。この段階で、学習者は、タスクである作文をどれぐらい遂行できたのか、学習したストラテジーを実際に使ってみて、ストラテジーは役に立ったのか、などを自己評価します。これにより、自分の学習を内省する能力、つまりメタ認知能力を向上させることができます。
(5) 応用段階(expansion)
応用段階は、教師の助けなしで、学習者が自分ひとりで、学習したストラテジーを未知のタスクに使用する段階です。しかしながら、自力で学習ストラテジーを他のタスクにすぐに応用できる学習者は少ないといっていいでしょう。したがって、最初は教師の手助け、「足場がけ(scaffolding)」が必要です。つまり、宿題などで学習者にタスクを課し、学習者が自分ひとりで学習ストラテジーを使いタスクを遂行したら、それに対して教師がフィードバックを与えるなどの「足場がけ」です。
「英語教育」2004年10月号
月刊「英語教育」について
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【特集】学習ストラテジーを授業に!
学習ストラテジーを学習・授業で活用すると,より効果的な英語学習へとつながる。実践例に基づき,実際の授業にすぐ導入できるストラテジーと活用法を詳細に紹介。
学習ストラテジー指導は5段階アプローチで
尾関直子
導入期の指導:
ストラテジーは使いながら身につけさせよう [中学1年]
大和隆介
ストラテジーで楽しく学ぼう[中学2〜3年]
木村みどり
内容把握にストラテジーを[高校(英語1)]
山崎朝子
中島優子
タスク活動にストラテジーを[高校(OCI)]
大須賀直子
三浦智子
“self-monitoring”を取り入れて
[高校(ライティング)]
廣森友人
苦手な生徒にこそストラテジーを教えたい
[高校(リーディング)]
木村 隆
さまざまなスキルへの転用も意識させて
[大学]
藤岡真由美
真野千佳子
●〈巻頭エッセイ〉世界を味わう
■〈新連載〉小学校の英語教育はいま…
■ゆかいな仲間たちの「授業見学」
■研究と現場を結ぶ 英語の使い方
■英語教育時評
◎大地の声:ネイティヴ・アメリカンの智慧の言葉
◎シェイクスピアの12か月[10月]『ヴェニスの商人』
◎A Kiwi's View of Japan
◎柴田元幸の洋書びっくり箱 なぜか惹かれる悪い夢―The Artist of the Missing
他
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主に英英辞典を対象に通時的・共時的な観点から辞書を概観。CD-ROMなど新しい媒体や、シソーラスなど通常と異なる形式の辞典にも触れ、かつこれまで辞書学で扱われなかった辞書批評の観点をとりあげている。原著発行以後の英語辞書界の動きをまとめた「日本語版への序文」も付した。
第1章 語
第2章 語に関する事実
第3章 辞書
第4章 草創期
第5章 『オックスフォード英語大辞典』
第6章 現在まで
第7章 辞書の使用者と使われ方
第8章 辞書における意味
第9章 語義以外の情報
第10章 語源
第11章 学習者用辞書
第12章 アルファベット配列を捨てて
第13章 辞書の編集
第14章 辞書批評
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