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CALLを英語指導の中心に据えて

千葉大学教授 高橋秀夫 Takahashi Hideo
   
「英語教育」2004年7月号(大修館)→ 目次はこちら 定期購読はこちら
From "The English Teachers' Magazine" July2004 Vol. 53 No.4 (Taishukan)

指導形態

ある調査によればアメリカ人は高校を卒業するまでに50,000時間英語を耳にしているのに対し、日本人はわずかその50分の1だという。この差は決定的で、仮にCALLによる指導が効果的であったとしても、授業時間だけ学習していたのでは社会が求めている英語力(TOEIC 730点、TOEFL PBT 550点)に到達することは到底不可能である。千葉大学ではCALLを外国語学習における時間不足に対処するための最も効果的な手段と位置づけ、CALLによる学習は授業に加え、学生が空き時間を利用して自習することを基本とし、週最低1回の自習を義務づけている。このため自習室を月曜1限から金曜5限まで開放し、いつでも学習ができる環境の提供に努めている。1週間のCALL教室、自習室の延べ利用者数は約1,500名である。

一方授業の役割としては、まず学習が適切に行われているかを確認する小テストの実施があげられる。CALLにより学習者のレベル、ペースにあった学習が可能になったとは言っても、学習の進度、理解度を短いスパンで確認し、フィードバックを与えることは不可欠である。平成15年度後期の2年次用クラスの指導日程表を表3に示した。聴解力養成用教材については内容理解の上で重要な単語や表現の理解度、書き取り、内容聞き取り力等を測る14問からなる進度テストを3週間おきに実施した。学生はこの日程に合わせて勉強をするため、理解度の確認だけでなく、進度の調整を行うという大きな役割も持つ。学生のレベルに応じ4〜5種類の教材が同時に使用されているため、1授業時間中での小テストの実施は難しい。そこで学生の使用教材に合わせ必要なテスト問題を自動的に提示し、テストを実施するシステムも独自に開発した。語彙学習については、語彙や表現を聞いて意味を答える、意味から英語表現を答える等のテストを作成し、口頭でほぼ毎週実施した。

どんなに高い効率の教材を長時間使用したとしても、学生への動機づけが適切に行われない限り高い効果は望めない。そこで授業ではCALL教材による学習以外に、授業の30分ほどの時間を使って、授業担当者ごとに工夫を凝らし、動機づけを高めるための指導を実践している。表3には一例として筆者の授業内容を示した。表にあげた以外に学習の中心となるCALL教材の自己学習があり、きわめて密度の濃い指導計画だと考える。


表3 平成15年度後期指導日程表例(2年次用)
回数 進度テスト 語彙テスト 授業内容
01     Placement Test
02     ガイダンス
03   Set 1,2 学習開始
04   Set 3,4 音の変化
05   Set 5,6 意思疎通の失敗例
06 Unit 1   発音の地域差
07   Set 1-6 ユーモアのセンス
08   Set 7,8 米国大学キャンパス
09 Unit 2   発想の違い
10   Set 9,10 ジョークと笑い
11   Set 11,12 学習理論
12 Unit 3   文化と習慣
13   Set 13,14 TV コマーシャル
14   Set 7-14 実力テスト
15 Unit 4   アンケート


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「英語教育」2004年7月号



月刊「英語教育」について

定期購読申し込み
【特集】大学の英語教育はどう変わったか
少子化・大学改革の波の中で、各大学は生き残りをかけて様々な試みを行っているが、英語教育も例外ではない。確かな英語力か、大学ならではのプラスアルファか。内外の様々な要請のなかで、変わりゆく大学の授業を探る。

大学改革の哲学 鳥飼玖美子
Affective Competenceのすすめ:
Autonomous Learnerを育てる試み
塩澤 正
専門的関心に結びつく授業を:
保育系短大の英語教育
小宮富子
プレゼンテーション中心の授業と異文化教育と:
英語も外国語の1つとして
伊庭 緑
CALL を英語指導の中心に据えて 高橋秀夫
TOEIC の活用と習熟度別クラス 樋口忠彦
新田香織
吉田幸治
文学を読まずして何が英語教育か 斎藤兆史
[エッセイ]自前の教材作りの日々:東大発 Brendan Wilson
[コラム]学生たちは授業に何を期待しているか:アンケートから 高橋妙子

■酒井邦秀の多読授業への招待
■ゆかいな仲間たちの「授業見学」
■研究と現場を結ぶ 英語の使い方
■タスクによる児童・生徒が活きる授業への転換
■英語教育時評
■アメリカの小学生は英語をどう教わっている?
■大地の声:ネイティヴ・アメリカンの智慧の言葉

◎シェイクスピアの12か月[7月]『ロミオとジュリエット』
◎A Kiwi's View of Japan
◎柴田元幸の洋書びっくり箱 愉快と教養―Dry Bones
他  

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ことば学のスタートライン
 ▼ヒトはいつからことばを使い始めたか
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 ▼日本語は美しいか
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ことばと文化の親密な関係
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 ▼日本の「笑い」と英米の「笑い」    ほか

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