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リーディング授業、
今年は訳先渡しで

高知西高校教諭 山田憲昭 Yamada Noriaki
   
「英語教育」2004年4月号(大修館)→ 目次はこちら
From "The English Teachers' Magazine" April 2004 Vol. 53 No.1 (Taishukan)

Q3:授業展開はどのようなものですか?

標準的な授業展開は、1)語彙・概要を把握、2)表現取り込み、3)取り込んだ表現を再生、という3つの場面で構成されています。和訳は一番最初の授業で配布され、その後生徒は必要に応じて自由に参照してよいことにします。
 
1)の場面では、(1)意味の分かった語彙を何度も発話練習する語彙インプット・トレーニング、(2)全体の概要を把握するために英文や和訳を読むタスク、(3)テキストの概要を把握するために内容に関する英問の答えを探すタスク、(4)テキストから筆者の考え・意見を読み取るタスク、(5)テキストから生徒自身の判断に基づき英文や表現を探すタスク、などを行います。

2)では、音読が効果的なタスクの筆頭です。生徒が知らないうちに同じ英文を飽きずに何度も繰り返し読むように、いくつかの音読を組み合わせて行います。私が考える音読タスクの原則は量・スピード・正確さで、負荷が小さい音読から始め、徐々に負荷が大きい音読へと移ります。これならできるというレベルから徐々に高い壁へと移るわけです。授業では英語を使って自分には何ができて、何ができないのかを明確に生徒に実感させることが大切なポイントだと思います。
 
3)では、(1)テキストの要約やあらすじを英文で書く活動、(2)英語でのリテリング、などのタスクが効果的です。これまでに何度も読んで取り込んだ英語を自分の言葉も交えてアウトプットに使うという最終活動です。

Q4:どんな教材も訳先渡し式で可能ですか?

可能です。ただ、訳先渡し授業は万能ではありませんし、すべての教材を和訳先渡しで行う必要は全くありません。他の指導方法と同様、授業レパートリーの1つと考えていただければと思います。

高校の教科書を大別すると論説系と物語系の英文に分けられますが、どちらを扱う場合もQ3のような授業展開が可能です。ただし、取り込んだ表現の再生活動はできるだけ英文の性質に合う工夫が望まれるところです。例えば、論説系英文を要約英文を書く活動で締めくくる展開にすると、パラグラフ構成の基本から要約や言い換えの技法も学ぶことが可能です。また、物語系英文をリテリング活動で締めくくってはどうでしょうか。1度読んだ英文を自分の言葉で他者に伝えるというリテリング活動は、ペア・ワークやグループ活動を取り入れると、読む・書く・話す・聞くの4技能をバランスよく伸長させる統合的な活動になります。


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「英語教育」2004年4月号



月刊「英語教育」について
【特集】今年の授業はこれに挑戦!
動きの激しい英語教育界だが、学校の授業こそ基本、教師の腕のみせどころ。今年は何か1つ新しいことをやってみよう。授業名人たちの実践を満載。

今年はディベートに挑戦 本多敏幸
高校生にもスピーキングさせよう 山本良一
リスニング対策、こんなことを 小野田 榮
リーディング授業、今年は訳先渡しで 山田憲昭 
オンライン・ライティングを取り入れよう 椿まゆみ
眠っている機器を活用して授業を活性化 山本崇雄
英語劇をやってみたい 中山滋樹
文法とコミュニケーション、両立させた授業を 水田和浩
ALTのこんな活用法 稲岡章代
やってみなくちゃ「映画で英語」 田口順一
〈コラム〉  
学校の外へも目を向けよう:
教師のための NPO活動のすすめ
辻 荘一
こんな時頼りになる本:
教師のためのブックガイド
山岡大基
〈資料〉  
今年こそ行ってみたい:教師のための研究会案内
〈読者アンケート〉
今年の授業・今年の研究

■〈新連載〉Excel でこんなことができる/こんなことやってみよう
■〈新連載〉研究と現場を結ぶ 英語の使い方
■〈新連載〉タスクによる児童・生徒が活きる授業への転換
■〈新連載〉アメリカの小学生は英語をどう教わっている?
■〈新連載〉世界を味わう ベトナムの市場から
■ゆかいな仲間たちの「授業見学」
■英語教育時評
■大地の声:ネイティヴ・アメリカンの智慧の言葉

◎〈新連載〉シェイクスピアの12か月[4月]『お気に召すまま』
◎〈新連載〉A Kiwi's View of Japan
◎〈新連載〉柴田元幸の洋書びっくり箱 行間から伝わる哀しさ                 他
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大修館よりオススメの新刊

「自己表現活動」
を取り入れた英語授業

田中武夫、田中知聡 著
本体2,200 円 (四六判・262頁)

英語で自己表現できる生徒を育てる

学習指導要領をはじめ、英語教育に自己表現力の育成が求められています。本書は英語による自己表現活動とは何か、その育成のための授業と評価、長期的な視野での指導について解説します。中・高・大での具体的なモデル授業案やワークシートも提示し、教育現場ですぐ取り入れやすいものになっています。

第1章

 自己表現を中心にすれば授業は変わる

第2章

 表現意欲を高める言語活動の工夫
第3章  自己表現に必要な力の育成
第4章  自己表現活動を取り入れた授業モデル
第5章  自己表現力を育成する評価


大修館書店ホームページ「燕館」

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