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中学校英語教師の必読書 この4月から初めて高校を教えるようになったのだが、いかに中学校での指導がその後の生徒の英語力に影響を与えるかを目のあたりに見ることとなった。特に生徒のコミュニケーションへの積極性については、中学校での教師の取り組み如何によって生徒の出来が大きく異なっている。その意味で中学校での指導の大切さを実感している。 中学校現場で英語を教えていて、道に迷った場合は、まず本書をお薦めしたい。本書は中学校英語指導と評価の部分の2部構成であるが、どちらも杉本氏の18年間に及ぶ現場体験に基づく実践書として完成し、さまざまな実践例が2つを見事に連結している。実践例では、Warm-up から言語材料の導入、練習の仕方、コミュニケーション活動へのつなげ方と留意点など、英語授業において基本中の基本を確実にとらえて解説されている。その中でも特に昨今のコミュニケーションばやりの授業において、見逃しがちな、導入と練習の方法についてきちんと記してあるところが参考になる。また、学習の遅れがちないわゆるslow learner指導のアドバイスも手厚く解説されており、杉本氏の授業に対する姿勢が垣間見えるものである。 後半の評価に関する部分は、前半の指導の内容をうけて、指導と評価の一本化を目指した内容になっている。問題に真摯にとりくみ、前半と比べてやや固い内容になっているものの、いま現場で混乱していることがらや疑問を、やさしい解説ですっきりと解きほぐしてくれる。 絶対評価に関しては、一時的に大きな議論を呼び、いろいろな教育書で取りあげられたが、その後、火が消えたように話題にとりあげられなくなってしまった。現場では問題なく定着し、話題にする必要はなくなったのか、それとも諦められてしまったのか。本書を読めばその結論はおのずからわかるであろう。 また本書では、定期テスト、通知表、など実際の現場で悩みの多いことがらにも触れている。これは現場経験の長い氏ならではの本書の特徴であり、現場教師にとってはまさに助け舟を出された感がある。記述は実に具体的で、多くの資料が添付され、著者の研究してこられた成果が簡潔に示されている。 最後にコミュニケーション重視の授業と入試対策についてとりあげられているが、私同様コミュニケーション能力をつける授業と、入試との狭間で悩んでいる教師にはとても勇気を与えられる内容である。 本書を読み、ここに書かれていることをすぐに、全部を真似することは容易ではないが、どれか一つでも参考にして実際にとりくんでみることをお薦めしたい。 (九段中等教育学校教諭 明石達彦) >>『中学校英語授業 指導と評価の実際 確かな学力をはぐくむ 』を 購入する(Amazon.co.jp) 出典:「英語教育」2006年8月号(大修館) From "The English Teacher's Magazine " August 2006 Vol. 55 No. 5 (Taishukan)