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授業に使える動機付け教材 「授業に役立つ本だ」というのが感想である。教員であれば、生徒への動機付けが重要であることを知っている。授業のやりやすさと効率の高さは生徒の動機付けに大きく関係する。学習動機が低い者を相手にする授業ほど辛く、時間が無駄だと思えるものはない。生徒を勉強に向かせるものにはいくつかの要因がある。ぼくがよく使うのは、教材のおもしろさと教科担任への共感を高めることだ。 おもしろい教材を与えれば、生徒はありきたりの教材とは異なる興味関心を授業に見せる。いわゆる食いつきが良いという感触だ。無気力な生徒を教えるより、「先生の授業はおもしろい」とか「ありがとう、先生」と言う生徒を教える方がずっと教師冥利に尽きる。 多くの授業で、ぼくはクイズから始める。生徒がきちんと座席に着き、一斉に解きはじめると、教室の中に漂っていたざわめきが消え、学習への雰囲気へと変わる。当然そのクイズは、生徒の関心を引く、しかもおもしろいクイズでなければならない。吉田先生のクイズ集はその目的にぴったりである。しかも、コピーしてそのまま使って良いと書いてあるので、5分で用意できる優れものである。 吉田先生は、昨年までに同種の本を4冊出版されたが、本の基本構成は、見開きの左ページが問題で、右ページに解答解説がある。それらは主に単語を覚えさせるために便利である。単語のレベルも入門から大学入試まで網羅しているので、中学での授業から大学での必修の授業までで使用可能だ。これらの本にあるクイズは正しいスペリングを求めるので、生徒は辞書がないと、このおもしろいクイズ解きに参加できない。したがってほとんどの生徒が辞書をもってくるようになる。 本書は、今までと少し趣を異にする。解答は3択と○×であるので、時間をかけずにクイズができる。クイズのジャンルが、アルファベット編、英単語/英熟語編、アメリカ編などで、英語の雑学的なおもしろさが満載されている。 この本を使うと、さっとクイズを解かせ、その後に教員が解答解説で、おもしろくためになる雑談ができる。ぼくは生徒をうまく動機付けするために雑談は効果的だと思っている。英語の訓練だけでなく、考え方やおもしろい知識が得られることを生徒は歓迎する。つまり、「あの先生の授業はおもしろい」と思うと、教科担任への共感が高まり、生徒の学習動機も高まる。渡部昇一先生も授業での雑談の効用を認めていらっしゃる。 やる気のない生徒をその気にさせるのは一筋縄ではいかないが、生徒に「辞書をもってこなきゃ」とか「先生の話はおもしろい」と思わせると1つの解決になるだろう。その解決に吉田先生の本は確実に寄与してくれる。 (千葉商科大学教授 酒井志延) >>『授業に使える 英語三択クイズ& ○×クイズ1500』を 購入する(Amazon.co.jp) 出典:「英語教育」2006年7月号(大修館) From "The English Teacher's Magazine " July 2006 Vol. 55 No. 4 (Taishukan)