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ネイティブ教師向け
Book
Review
文法項目別
英語のタスク活動とタスク
―34の実践と評価
高島英幸 編著
A5判 306pp.
本体2,400円
大修館書店
この挑戦をどのように受けて立つか
なかなか刺激的な本である。
編著者の高島氏は第二言語習得という極めて理論的学問的研究の知見を日本の学校制度というかなり特殊な条件の枠の中で行われている英語教育の最新の概念である「実践的コミュニケーション能力」の育成と結合させることを目指しているからである。これはかなりの腕力がいる仕事である。そのような野心的試みが成功したかどうかを判断するのは時期尚早である。幾多の解決すべき検討課題があるからである。
しかし、それにしても高島氏の「タスク活動」が中学校英語教師の間でこんなに騒がれているのはなぜだろうか。私には分からないことが多いが、1つは、氏が「タスク」を「日本の学習環境」つまり「構造シラバスを基本として構成されている検定教科書を用いた指導」に合わせて具体化している点が評判の理由であることは確かなようだ。氏のこのようなアプローチは「コミュニケーション」を志向する英語指導においても言語材料の確実な習得を保証したいという日本の中学校の英語教師の強い願いに合致する。コミュニカティブな言語指導に内在する「意味伝達」と「言語形式」の拮抗の問題という本質的課題を視野に入れつつ、日本の英語教育の現実に巧みに答えようとする編著者の姿勢はなかなか賢明だ。
本書は前著(『実践的コミュニケーション能力のための英語のタスク活動と文法指導』2000年 大修館)にくらべて、視野が広がりを見せているのも評価できる。その広がりの1つは、本書では、「タスク活動」に加えて、「タスク」と「タスクを志向した活動」を導入した点である。その結果、編著者が提唱する「タスク活動」がより一層理解できるようになった。さらには、これらのタスクに基づいて、評価(絶対評価)、シラバス、小学校・中学校・高等学校の連携のあり方、などについて提案しているのもその視野の広がりのあらわれであるといえる。しかし、この広がりの故にいくつかの新たな課題も生まれている。たとえば、「タスクに基づいたシラバス」(task-based
syllabus)の泣き所はタスクの「順序付け」(grading/sequencing)であるが、本書ではこの泣き所が「検定教科書」の言語材料の配列に基づいたシラバス編成という形で巧みに回避されている。しかし、タスク自体に内在する難易度の問題はそれほど簡単なものではない。
本書の最大の特徴は「タスク活動」と「タスク」の具体例が豊富であることで、この点は高く評価できる。しかし、これらのタスクすべてが本当に効果的かどうかを実証するという仕事が英語教員に残されている。本書で提起された挑戦を英語教師がどのように受けて立つか、今後が楽しみである。
(明海大学教授 和田 稔)
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出典:「英語教育」2005年9月号(大修館)
From "The English Teachers' Magazine" September
2005 Vol. 54 No. 6 (Taishukan)