本書の前半では、著者のネイティヴ・スピーカーとしての直感あるいは辞書編纂の経験から得た、様々な英語の動詞についての知見がまとめられている。第1章では、能動態(I
opened the door.)・受動態(The door was opened by me.)・中間態(The
door opened.)で用いられる動詞を「中間動詞」と名づけ、その一覧が示されている。見慣れた動詞が「態」という観点から再分類されているのは新鮮である。第3章以降では動詞を6つの意味グループに分け、それぞれのグループに共通の統語的特徴を挙げている。第6章では
have を例にとって、動詞の意味の拡張について解説している。例えば、have a pen で用いられている
have は基本的な「所有」の意味であり、have a headache で用いられている have は基本的な意味から離れた派生的なものであると述べられ、動詞の意味が中核から派生的なものへと連続的に拡張していく様子が分かりやすく図説されている。これぞ言語の特徴であると再認識させられる事例である。
また、本書では随所に日本語と英語の興味深い対比が行われている。第9章で、英語は起点と終点について曖昧だという議論がなされる。例えば
The summer holiday is from the seventh to the twenty-fifth.
と言った場合、7日から休日なのか、7日の前半に仕事をして後半から休日になるのか曖昧であり、また休日が25日いっぱいなのか、あるいは25日の早朝までなのかも曖昧である。日本語の「7日から25日まで」にはそのような曖昧な解釈はない。このようにネイティヴ・スピーカーの感覚が率直に述べられており、大いに英語学習の参考となる。
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