小学校英語とグローバル人材育成の視点
英語教育
2010年4月12日
英語教育
2010年4月12日
さて、新学期も始まり、先生方はあわただしい毎日をスタートさせていることと思います。真新しい制服(あるいは私服)に身をつつんで、子どもたちも新たな学校生活を始めていることでしょう。
今月から、英語教育ニュースも新たなスタートを切ることになります。
これまでサイトのバックヤードで、サイトリニューアルをしっかりと支えて下さった、編集部の土居さんに代わり、同時通訳者また、編集者として活躍されている、大隅さんを編集部にお迎えすることになりました。
今後は、編集部ノートとしてよりup to dateな話題を取り上げていくつもりです。
今月のコラムは、岡田順子先生の、「記億方略としてのキーワード法」、川本先生の「英語を生活の一部に」柳瀬先生の「Kathy Barker著、浜口道成訳 (2004) 『アト・ザ・ヘルム 自分のラボをもつ日のために』 メディカル・サイエンス・インターナショナル」が投稿されています。
≪小学校英語とグローバル人材育成の視点≫
今回の編集長コラムは、いま、話題のグローバル人材に関連して、「小学校英語とグローバル人材育成の視点」というテーマを取り上げたいと思います。
このところ、前回ご紹介した日外協(JOEA)の会合の記事にあるように、企業においてもグローバルに活躍できる人材の不足が指摘されており、その育成の壁となっているのが、やはり「英語力」なのです。無論、仕事ができることが第一であり、多様性を受け入れる資質なども欠くべからざるものですが、何といっても、英語力それも、聞き、話す英語力の不足が強く指摘されています。
この問題は、かれこれ20数年間にわたって、多くの識者から指摘されていることですが、いまだ解決を観ていないのが現状です。
昨年度、都内の区立中学校で、縁あって非常勤講師として、半年足らずではありましたが、20年ぶりに教壇に立つ機会に恵まれました。公立中学校は初めてでしたが、素晴らしい周りの先生方にも支えられて、無事3年生への指導を終えて卒業式を迎えることができました。
その時に強く感じたのが、20数年前とは格段に『話し、聞く』ことに積極的な中学生の姿と、カリキュラムとのかい離でした。
中学3年生の2学期の教科書のLesson7に出てくる新出単語に、yellow, sky, などが含まれていることに、正直ショックを受けました。
実際、中学レベルでdebate, discussion, などができる教科書構成であり、presentationの基礎も説明できる内容となっており、この部分は実に使い易くなっていましたが、語彙がやはり、圧倒的に不足していると感じました。
このためには、小学校レベルで、必要な語彙を獲得したうえで、その運用を文法学習と相まって中学校で指導できる流れにする必要があると感じたのです。
いわば、これまでの指導要領の成果によって、話す、聞く、についての積極性は十分に担保されているわけなので、今後は、より英語のスキル自体を上げていく方策が課題となると思いました。
そうすると、今後は幼・小・中・高・大・院と、一貫した英語のスキル面での積み上げを考えなければならず、その最終的な目標は、グローバルに活躍できる人材(=グローバル人材)を視野に入れて、考えるべきだと思います。
長く、産業界、経済界と、教育界とは、ともすれば、対立する関係にあり、経済論理で教育を左右すべきでない、とか、いつまでも時代遅れのシェークスピアの英語などを読ませているから、使えない、とか、両者それぞれの立場からの言い分が平行線をたどっています。
しかしながら、スキル面で劣る教育をしていることは事実であり、またグローバル人材育成という視点からいけば、シェークスピアぐらい読めなければ、欧米の教養エリートとは伍していくことはできず、ビジネスの交渉でも、足元を見られることになりかねないのですから、実際には、その両方が求められるのです。
グローバルに活躍できる人材、グローバル人材育成は、今後日本の未来をも左右しかねない、重要なファクターとなってくることは疑問の余地がありません。教育界も、企業も、真に世界と伍していくための人材育成を「グローバル人材育成」という視点と目標から、意識共有し、共同して育成に知恵を出し合う時期にきたと言えるでしょう。
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