英語教育ニュース編集長ノート

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英語教育ニュース編集長による英語教育ニュース編集ノート

グローバル人材育成と日外協との会合

英語教育

2010年3月01日

こんにちは、編集長の竹村です。

掲載されているコラム、先月から今月は、英語ノートの廃止を取り上げた、清水万里子先生の「小学校英語教育の「なるほど」」、浜地道雄氏の「Account:誰でも知ってる厳粛な言葉」、大塚雅文氏の「『全ての問題には答えがある』マインドを壊す」
、川本佐奈恵先生の「英語は音声が大事 声に出して練習を」が掲載されています。

また、Oxford出版主催の児童英語の講師、外山節子先生のインタビューも掲載されていますので、是非、御一読ください!

さて、今回は、企業および大学の教員がともにグローバル人材について話し合う場面に参加させていただく機会がございましたので、その会合について書かせていただきたいと思います。


≪グローバル人材育成と日本在外企業協会≫
さて、先日来、アメリカでのトヨタのリコール問題が発生し、日本の輸出産業に大きな衝撃が走りました。その際、社長の豊田氏が英語で会見した模様が大きな話題になっています。突然の会見と質問に対しての英語の応答が、欧米各紙で取り上げられ、economist誌では、"broken English"と書かれていました。その真摯な姿勢に心打たれるものがあり、その後の公聴会では、その人柄と通訳を使うことによって、状況を和らげることができたと思われます。

日向清人氏による関連記事:「トヨタの寡黙な社長の英語力」


このように、これから日本の企業ではトップ以下、よりグローバルな視点と英語による発信力というスキルを持って、国際経営に臨む必要がいよいよ増しましょう。
そんな認識の中、先日、日外協、「日本在外企業協会」にて、国際ビジネスに深くかかわる、企業人と、大学で英語を教える立場にある方々との懇談の場があり、私も参加してきました。
私的なものでしたが、意義深い話でしたので、許可を得て下記します。

そこに出席した、慶應義塾大学外国語教育研究センターの日向清人氏は国際法律事務所と英米の証券会社の翻訳部門の責任者という経歴。文教大学国際学部非常勤講師の浜地道雄氏は元商社マンの国際ビジネス・コンサルタント。日外教の小林征雄専務理事、総務部長の近藤龍氏、業務部長齊藤哲男氏(立教大学大学院教授)はいずれも日本を代表する国際企業の方々。

ここで話題となったのは、グローバル人材、つまりは、海外で活躍できる人材の育成の急務でした。いまだ、日本の企業には、英語も含めてグローバルな視点を持って活躍できる人材が大きく不足しているという点では、全員の見解が一致。

また、その原因として、様々な点が取り上げられました。

ひとつには、学校で教えられている英語と、ビジネスで使う英語とのかい離の有無に関する議論がありました。
これは常に問題となることですが、企業ニーズの圧力を学校にかけるな、という学校教育現場からの根強い抵抗感があると同時に、学校で教えられている英語が、いまだ会話文でも書き言葉である点などが、指摘されていました。これには、様々な議論が予想されますが、参加者からも多くの意見・提案がされていました。

また、会話、対話するということ自体が、日常の場面から失われつつあり、学校でも、会話自体が、共同作業であり、コンテクストと段取りでなされるものであることを、学校でこそ教えるべきではないか?という意見も出されました。

共同体という意識自体が失われていることにも話題が進み、非常に忌憚のない活発な意見が交わされました。

もう一度、学校でも暗唱や、実際に声に出して発音するなどのトレーニングを重視し、復活してもよいだろうし、academic writingなどを高校などでもきちんととりいれて、書き言葉と口語英語とをきちんと区別することも、グローバル人材育成には、不可欠ではないかと提案もなされました。

また、日外協の方からは、近年、海外勤務のインセンティブが、経済的にもキャリア的にも、見つけにくくなっており、敢えて、海外で活躍してみたいという動機づけ自体も失われているとのことで、時代の要請とはむしろ逆行する日本の現状が語られました。

短時間ではありましたが、今後は、グローバル人材育成のために、産学協同で、またあらゆる分野からの総がかり的な取り組みが必要であるとの点で、意見が一致し、散会しました。

今回、オブザーバーとして参加させていただき、それぞれの分野で、やはりグローバルに活躍できる人材育成への必要性は、急務の課題であり、そのための時間は、もうほとんど残されていないことを痛感しました。

従来より、学校現場からの立場とビジネスからの立場との意見の対立、かい離が強く、長く、論争の種でしかありませんでしたが、今後は、それぞれの立場から、共通の目標に向かって共同していく必要があると強く感じました。

より、ゴールを見据えて段階的に教育していく必要があると言えるでしょう!


【日外協:社団法人 日本在外企業協会について】
秩序ある海外進出を促進するための「海外投資行動指針」の普及を目的とし、1974年、経団連、経済同友会など主要経済団体の総意に基づき設立された純民間の社団法人。最新の投資環境情報をはじめ海外リスク管理や事業継続、グローバル人材育成、子女教育等海外事業に係わる幅広いノウハウを持ち、常時セミナー、講演会、研究会を主催している。協会誌「月刊グローバル経営」は会員企業への無料配布や政府刊行物センターでの販売の他、海外65カ国の在外公館、日本人会等にも配布されている。詳しくは日外協ホームページまで。

(社)日本在外企業協会 



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コメント

英語教育については 国連や海外の大学教授など Top Levelを目指すのか、 海外の大学院、Global時代のBusinessmanを目指すのか, 世間話が出来ればよいのか 各自が中学を卒業する頃には目標を定め それに適した教材の利用、留学、場数を積む必要があります。 

 Global人材についての論文等 Google Knolをご参照下さい。
http://knol.google.com/k/overhauling-japanese-education-system#
英語の教材、教員の問題のみならず 海外留学、奨学金の拡充等様々な改革が必要です。

http://www.amazon.co.jp/gp/cdp/member-reviews/A2V0QNY3QE4QX/ref=cm_pdp_rev_more?ie=UTF8&sort_by=MostRecentReview#RRZ7ZQVBW3L38
英語を仕事で使える日本人を増やす為には?, 2009/3/23

 戦後Sweden人の英語力は飛躍的に向上しており 日本においても日常的に英語を話す環境を作る必要があります。 

 

「今回、オブザーバーとして参加させていただき、それぞれの分野で、やはりグローバルに活躍できる人材育成への必要性は、急務の課題であり、・・・。従来より、学校現場からの立場とビジネスからの立場との意見の対立、かい離が強く、長く、論争の種でしかありませんでしたが、今後は、それぞれの立場から、共通の目標に向かって共同していく必要があると強く感じました。」
仰るとおりで、今回のような意見交換をより草の根レベルで、例えば都道府県単位で、地道に行っていくことが「すれ違い」のすり合わせになっていくのではないかと愚考いたします。


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