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ストップウォッチで大学英語教育

受講生はカスタマー!受講生のやる気と関心を持続させ、知的喜びを提供する度 合いが教員の評価基準です。常に新しい教授手法にチャレンジしています。

受講生はカスタマー

コラム

2009年07月08日

大学での英語教育は週1回、90分授業を15週間(1セメスター)行なって2単位というのが一般的です。残念ながら、この方式は英語力向上には不向きなものといわざるを得ません。理想的な授業形態としては、週5回、45分授業、週に2~3回ネイティブスピーカーとの少人数ディスカッション、週5回、60分間LLにおけるテープ自習というものではないでしょうか。しかし、日本の大学での英語教育の方式が近い将来、劇的に変わる可能性は極めて低いと思いますので、現在の形態の中でより効率的な方法を探ることにしましょう。

15週間といっても、オリエンテーションや試験などがあり、実質的には12回程度の授業となります。12週間、毎週同じ方式で授業を行ないますと、どれほど真面目でやる気のある学生でもたいくつし、授業に出席しなくなってしまうかもしれません。そこで、12週間を3~4つほどの部分にわけ、4週間(授業4回)~3週間(授業3回)で1つの授業方法が完結するようにし、3~4種類の授業方法を用いますと、受講生もあきがこず、最後まで授業に出席してくれます。

また、90分授業は、英語の実習授業では非常に長い授業時間になります。そこで、だいたいこれを3つの部分にわけ、30分単位で異なる作業を行ないます。そうすることで、目先の作業形態が変わることで、受講生の授業への関心を持続させることができます。このため、大学の英語教員は、多種多様な作業形態や授業方法を効率的に使いこなせることが必須条件になります。

受講生はカスタマー!授業を欠席するのは学生の責任、ではなく、授業がたいくつで役にたたないからです。有益で楽しい授業なら、お金を出してでも聴きたいという立ち見の受講生もでるのではないでしょうか。受講生を喜ばせることが私の楽しみ、という、ある意味でエンターテイナーのような感覚が大学の英語教員には必要なのかもしれません(と自戒しています)。

ストップウォッチ:ざわめく教室も一瞬でシ〜ンとなる秘法

私語などで教室がざわめいていても、一瞬でシ~ンとなる秘法があります。それはストップウォッチの使用です。受講生が10名であろうと80名を越しても、ストップウォッチを効率的に使って授業を進めればメリハリがつき、受講生の緊張感も高まります。以下に小生がよく使う手法を披露いたします。

(1)500語程度で書かれた新聞記事や一般雑誌の記事を用意します。内容は時事問題、ダイエット、学生生活など、ごくありふれたものを選びます。これを裏返して配布します。受講生への指示:「『よ~いドン』で表を向け、1分間でこの記事を読み、その後、再度用紙を裏返し、何が書かれていたか、自分の言葉でノートに書いてください。それでは始めます。よ~いドン!」といってストップウォッチを押します。1分後、「そこまで。用紙を裏返してください」と言います。500wpm(words per minute)の速度で英文を読める大学生はほとんどいないと思いますので、「目標としては、1分間で、この程度の長さの英文を読み、内容理解度を70~80%にする」と伝えておきます。大部分の受講生は大きなショックを受けているような顔をしているはずです。

(2)1センテンスが書かれている用紙を3枚ほど用意します。内容はごくありふれたものを選びます。まず、1枚目を裏返して配布します。受講生への指示:「『よ~いドン』で表を向け、1分間でこの記事を読み、その後、再度用紙を裏返し、何が書かれていたか、自分の言葉でノートに書いてください。それでは始めます。よ~いドン!」といってストップウォッチを押します。1分後、「そこまで。用紙を裏返してください」と言います。1分間で1センテンスですので、多くの受講生は何が書かれていたか、その内容や全文の日本語訳をノートに記すことでしょう。これを3回程度行ないます。

(3)1パラグラフが書かれている用紙を3枚ほど用意します。まず、1枚目を裏返して配布します。受講生への指示:「『よ~いドン』で表を向け、1分間でこの記事を読み、その後、再度用紙を裏返し、何が書かれていたか、自分の言葉でノートに書いてください。それでは始めます。よ~いドン!」といってストップウォッチを押します。1分後、「そこまで。用紙を裏返してください」と言います。1分間で1パラグラフですので、すべて読めない受講生もでてくるはずです。内容把握ができていない受講生が多くいる場合には、再度1分間で同じパラグラフを読んでもらい、理解度を高めてもらいましょう。これを3回程度行ないます。

(4)次は「上級編」ですが、主要新聞記事3パラグラフが書かれている用紙を3枚ほど用意します。まず、1枚目を裏返して配布します。受講生への指示:「『よ~いドン』で表を向け、2分間でこの記事を読み、その後、再度用紙を裏返し、何が書かれていたか、自分の言葉でノートに書いてください。それでは始めます。よ~いドン!」といってストップウォッチを押します。3パラグラフですので、時間は2分間としています。2分後、「そこまで。用紙を裏返してください」と言います。2分間で3パラグラフですので、すべて読めない受講生が多くでてくるはずです。この時点で、この記事から是非把握して欲しい点を問題形式で2~3つ受講生に示します。たとえば、「この記事によると、国連安保理でどのようなことが決定されたと書かれていますか?」「この記事によると、その決定内容に対して、北朝鮮はどのような反応を示したと書かれていますか?」といった具合です。このような内容把握に必要な疑問点を出した上で、今度は1分間で同じ3パラグラフを読んでもらい、理解度を高めてもらいましょう。これを3つの新聞記事で行ないます。新聞記事を用いる理由は、見出し+冒頭3パラグラフで、大部分の英字新聞記事の内容が把握できるからです。



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