身近な道具を授業に活かしたい
2008年9月15日
2008年9月15日
![]() 「英語教育」2008年10月増刊号(大修館) → 目次はこちら → 定期購読はこちら From "The English Teachers' Magazine" October 2008 Vol. 57 No. 8 (Taishukan)
(ア=阿野 ヒ=太田) ヒ:今回は「小道具」について話しましょう。私たちの連載*の特別編ということで。 ア:いいですね。普段、日常生活で使っている身近なものを「ひと工夫」すると、授業で大活躍することがありますよね。 ヒ:阿野先生が、授業用グッズとして持ち歩いているものを教えてください。 ア:ではまず、ちょっとした小道具から。 ◆キッチンタイマー 黙読の時間、音読練習、ペア・ワーク、グループ・ワークなどで時間設定をするときに使います。操作が簡単なのが何よりです。単に時間を計るだけではなく、授業の進行にリズムを作る役割も果たします。はじめは時間をわざと短めに設定し、生徒から時間延長のリクエストを引き出すなど、使い方に工夫することができます。 ◆ストップウォッチ ストップウォッチは時間の経過を知ることができるため、クラス全体でスピードを競わせる場合に活用できます。ストップウォッチをクラスの生徒数分用意しておいて、個人で速読のスピードを計測させている先生もいます。 ◆トランプ 4人以下のグループをランダムに作るときに使います。配布されたカードの番号がそのままグループナンバーになります。同じ番号に4種類のマークがあるため、司会はダイヤ、レポーターはスペードなどと役割も同時に指定できます。また、クラス全員に1枚ずつ事前に配布しておき、教員が別の1セットを使って1枚ずつ引いていけば、スピーチなどの順番をランダムに決めていくことができます。 ◆サイコロ グループの数が6つ以内のとき、どのグループを指名するかを決めることができます。1つのグループの人数が6人以内の場合にも、それぞれのグループの中で事前に生徒に番号をつけておくことで、グループ内での発表順や役割を決められます。通常のサイコロ以外にも、12面、24面のサイコロなども市販されているので、これらを使えば、少人数クラスならランダムに生徒を指名できます。 ◆ビンゴ 単語学習などでビンゴカードの形式を使うことはよくありますが、ここで紹介するのは数字が書いてあるビンゴ用のボールです。1番から75番までの番号が揃っているため、2クラス合同での授業など大人数の場合に、生徒をランダムに指名することができます。 ◆音楽 CD いくつかの曲を用意しておけば、授業のさまざまな場面で使い分けができます。まずは、授業前から授業開始時にかけて流しておくもの。生徒が口ずさむ曲を使って、英語の雰囲気作りをします。次に、タイマー代わりに利用するもの。活動の時間設定用に1分の曲、2分の曲、3分の曲などを用意しておきます。曲の進行とともに、生徒は活動中に残り時間を把握することができます。最後に、生徒の発話を引き出すために使う音楽。ペア・ワークの時にアップテンポの曲をBGMとして流します。自分の声がまわりに聞こえにくくなるため、リラックスした雰囲気の中で普段より大きめの声で話すようになります。家で音楽を聞きながら勉強をする「ながら族」には快適な環境になっているようです。 ヒ:阿野先生はいつもこうした小道具を授業に持って行くのですか。 ア:はい、どれも私が授業に持参するカゴの中に常備されているものばかりです。中学・高校・大学すべてに共通して使えるものです。これらは、直接に英語学習に役立つというよりは、授業の進行に役立つものですが、太田先生は教材自体を活かすための小道具をうまく使っているように思います。いくつか紹介してもらえますか。 ヒ:では、iPodと小型テープレコーダーを紹介したいと思います。 ◆iPod+ポータブルスピーカー 私はiPodに教科書のCD(現行版、旧版)、リスニング教材を入れています。こうしておけば、必要に応じてさっと教材を聞かせることができます。旧版を入れておくと、現行版と似ている内容を聞かせることができるのも利点です。こういうことができるのはiPodなどのMP3プレーヤーのいい点ですよね。これに小型で携帯できるスピーカーをヘッドフォンのジャックにつなげば、教室で簡単に再生できます。(これは早稲田中高の井戸聖宏先生から学びました。) ◆小型テープレコーダー ペア・ワーク、ALTとの1対1のインタビューなどを録音して、後で振り返る際に使います。スピーキングの活動は振り返ることが難しいですが、録音しておけば、後で確認することができます。生徒は録音を聞き、自分が何を話したかをチェックします。(ここで書かせてもいいでしょう。)そして「こう言えばよかった」という内容を英語で、「こう言いたかった」という内容を日本語で書きます。生徒のこの振り返った情報については、「みんなが言いたかった表現を教えるよ」などと次の時間以降に使うことができます。 ア:普段、私たちが音楽を楽しむときに使っているものも、実は教室でも大活躍するんですね。音楽といえば、メトロノームも使えますね。 ◆メトロノーム ビートにのせて単語の発音練習をしたり、チャンツを授業に取り入れるときなど、リズムボックスを使えれば変化をもたせられますが、高価なためなかなか手に入りません。その代わりに、小型のメトロノームでも同じように使えます。 ヒ:阿野先生、まだ小道具を使っていそうですが。 ア:まだいくつかありますね。 ◆2種類の小さなぬいぐるみ 右手と左手用に1つずつ。私が使っているのは中に手を入れて操作するTiger君とCatちゃんです。ペア・ワークの前にデモをするときなど、2人の役割を明確にするために使います。ぬいぐるみが1つの場合には、教師との対話になります。 ヒ:これは使っている先生をときどき見かけますね。会話に役立つといえば、私も1つあります。 ◆speech bubble ペア・ワークで使う決まり文句(Me, too.)、先生に尋ねる表現(Mr. Ota?/How do you say ... in English?)、コメントを言う決まり文句(It was fun.)など、その時々に必要な表現をspeech bubbleに書き、黒板に貼り、生徒たちが英語を使う助けにします。speech bubbleは板目紙を吹き出しの形にして、そこに教えたい表現を書くことで簡単に作ることができます。 ア:吹き出しの形にすると楽しそうでいいですね。最後に1つ。発音指導に力を入れている先生におすすめのものです。私は恩師のまねをしました。 ◆歯磨き指導用の歯型 歯医者で使うものは高価なため、子どもの歯磨き指導に使うおもちゃを使っています。個々の子音や母音の作り方を、口の模型を使って説明できます。舌の役割をするのは教師の手ですが、ピンクの靴下を使えば、本物さながらです。 ヒ:なるほど。身の回りにあるものも、ちょっとしたひと工夫で、授業に取り込めるものですね。 ア:授業は活気を持たせて楽しくやることが、生徒への動機づけや学習効果にもつながりますからね。そのために一役買うのが小道具ですよね。 *「アノ先生・ヒロ先生の日々の授業にひと工夫」は「英語教育」通常号で好評連載中です。 |
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「英語教育」2008年10月増刊号 |
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<役立つ英語のフレーズ集>
<英語教師として知っておきたいツール集>
<コラム:リスト作成のためのテクニック>
【特集II】2008年度の英語教育 総括と展望
■特別記事・英語教育への提言 小学校英語学習者の追跡調査と小・中英語教育への示唆(日本児童英語教育学会(JASTEC)関西支部プロジェクト・チーム) ■資料 『学習指導要領(案)』への要望書 (日本外国語教育改善協議会) 英語教育関係刊行図書一覧 英語教育関係学会・研究会案内 英語関係書・教育書発行所一覧 →大修館書店ホームページ「燕館」はこちら |
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