小中連携ってこんな感じ?!
2007年4月30日
2007年4月30日
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北海道三笠市立三笠中央中学校教諭・三笠市教育研究所所員 竹内 朋恵 Takeuchi Tomoe 私と小中連携の出会い![]() 「英語教育」2007年5月号(大修館) → 目次はこちら → 定期購読はこちら From "The English Teachers' Magazine" May 2007 Vol. 56 No. 2 (Taishukan) 三笠市の小中一貫教育と小学校英語活動三笠市は平成16年に、北海道では初めて「小中一貫教育特区」として認定され、岡山小学校と萱野中学校で、小学校から英語を学習する「国際科」も新教科として始まった。同科では小学校専属の ALT が常勤し、移行期の現在は JTE を配置し、HRT(担任)との3人の指導体制で、「英語の音に慣れる」という国際科のねらいのもとに授業が行われている。ALT の発音を聞き取ったまま繰り返すことのできる耳のよさ、新しいことを知りたい知的好奇心の高さ、表現を学校生活のさまざまな場面で使おうとする積極性、私はこの小学校の授業を見るたびに「羨ましい!」「私の勤務する学校においでよ?」と思い、同時に「中学校でどう伸ばす?」「中学校英語科との接続は?」と課題も感じている。現段階ではあくまでも音声面重視のようだが、高学年児童の文字を書いてみたいという欲求への対処や中学校での学習形態・学習課程への移行方法など今後の課題も多い。現在、一貫教育は市の一部での実施である。小学校英語に対する保護者の関心は高く、「他の小学校でも英語活動をやってみては?」と平成17年に全市での英語活動が始まった。ALT の定期訪問を受けての年間10時間程度の実施、市としての指導案の例示などは初めてのことだった。私自身も各校を訪問して授業を参観したり担当の先生と話をしたり、市の教育研究所主催の交流会や研修会等を行なっている。その中で「小学校英語活動の大切さは理解しても、教員の英語に対する苦手意識が残っている」と感じている。苦手な英語を児童の前で先生として発音しなくてはいけない、教えるからには定着が必要、中学校に迷惑をかけてはいけない…。「児童と一緒に笑顔で唄って、踊って、活動して…そんな英語活動でいいんですよ」と話してもきまじめになるのは教員の性かもしれない。『定着・復習』そんなことばが返ってくる。教員の意識改革には時間がかかるが、児童は英語活動を楽しみにしている。そして「中学校はどんな英語の授業なんだろう?」と期待してくれている。それなら「ちょっと早いけど中学校の英語を体験してみる?」そんなワクワクするようなアイディアがふと浮かんだ。 小学校への出前授業私の勤務する中学校には3つの小学校から生徒が入学してくる。ときどき英語活動の授業を参観に行くと「中学校の先生でしょ?」「お兄ちゃんの先生だ」「ハロー!」と声をかけてくれ、私にとってはそれだけでも小中連携だ、と嬉しくなる。平成17年度の2月に小学校を訪問したときは、4月に入学してくる小学6年生に次のような授業をさせてもらった。
児童たちに中学校の英語の先生を知ってもらいたい。私も入学前に児童たちの英語に対するモチベーションを知りたい。そんな思いの出前授業だったが、次に私の頭に浮かんだのは「今度は小学生が中学校に遊びに来れないだろうか?」だった。 小学生と英語で遊んじゃおう!「今度さ〜小学生と英語で遊んでみない?」私の教えている中学3年生にこんな問いを投げかけた。「ええ〜小学生、英語わかるの?」が生徒の反応だった。そしてすぐに「おもしろそう?」と声があがった。私はときどき小学校で行われている英語活動のゲームを中学生にも紹介し、新しいアイディアはないかと生徒からアドバイスをもらう。今回も、生徒たちは英語で遊ぶお店を企画し準備を始めた。小学生が知っている単語リストを作るグループ、ご褒美に英語の賞状を作るからと児童たちの名前を筆記体で書くグループ、ルール説明に簡単な英語とジェスチャーを考えるグループ。私の想像以上に生徒たちは、的確に小学生をイメージして喜びそうな遊びを企画した。 一方教員の側は、私の企画書をもとに各校の教頭間同士で連絡を取り、バスの手配を教育委員会に頼み、各校の授業時間のズレを調整した。そんな中「教員同士が打ち合わせをしたほうがいいのでは」と声があがり、私を含めて4校の担当教員が集まり、当日の流れを確認した。「持ってくるものは」「事前に児童たちが練習する表現は」と小学校の先生からの細かな確認もあり、この打ち合わせをしたことがスムーズな動きにつながった。 当日は3校38名の児童が来校し、中学生がグループごとに8店の店を開き、児童が次々に移動するという形式で1時間30分を楽しく過ごした。日常の授業では自信がなく発音できない生徒が、ジェスチャーを加えた大きな声で英語を小学生に教えていたり、小学生が上手にできると “Good job!” と誉めたり、練習していたの? と思わず聞きたくなるような英語表現がポンポン出てきて、とても驚いた。小学生も恥ずかしがることなく、中学生に教えられながら英語を発音する姿は、とてもほほ笑ましく感じられた。終了後、中学生からは「自分の声がどんどん大きくなった」「小学生が楽しむ姿を見て自分も楽しかった」「小学生に英語を教えるなんて嬉しかった」という感想が多くあった。 小中連携〜次は何をしよう?最近は「英語活動の研究授業をするので見に来ませんか」と小学校から誘われることもある。市として一部で小中一貫教育が行われているわけだが、小中連携はもっと気軽にできないものだろうか。小学校で「英語って楽しい」と体験してきた子どもたちを、中学校で「もっと楽しい」という気持ちにさせるには、中学校英語教員の意識改革が当然必要である。それにはまず、小中の教員が互いにどんな授業をしているのか知ることが第一歩である。私自身小学校の授業を見に行くようになって自分の授業が変わった。1年生の入門期の授業も、小学校での英語活動を意識した内容にしている。さて、次は何をしよう? アイディアは次々に浮かぶが、今私が望むことは小学校で英語活動が気軽にできる環境作りと多くの中学校英語教員に小学校での英語活動を知ってもらうことだ。それが英語における小中連携のきっかけとなり、子どもたちにとって7が始まる喜びと期待に繋がっていくのではないだろうか。 |
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「英語教育」2007年5月号 |
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