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英語教育エッセイ

国内外で活躍する英語教育業界関係者によるエッセイコーナー

【資料】ヴィジュアル作りに役立つサイト

2006年9月15日


英語教育の最新版
「英語教育」2006年10月増刊号(大修館)
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From "The English Teachers' Magazine" October 2006 Vol. 55 No.9 (Taishukan)
立命館大学教授
野澤和典
Nozawa Kazunori


英語の基礎力が不足している現在の中・高・大学生が、楽しみながら英語を学習するためには、所謂「英語漬け」環境を学習者自ら作る努力が欠かせない。そのためにはヴィジュアル・ベースのマルチメディア教材は大変魅力がある。インターネットの中でホームページでの情報発信は重要であり、英語教員にもそのための教材開発が求められている。また、インターネットを介しての教材提供環境が整備されつつある時代になっている。しかし、英語教員が独自の教材を作成するとなると容易ではない。そこで、ヴィジュアル作りに役立つサイトを利用するのが便利である。本稿では、筆者の独断と偏見で選択した結果ではあるが、いくつかの有益な素材サイトをご紹介しよう。ビデオクリップ・サイトを中心に紹介したい。

静止画素材サイトの例

ホームページ作成に不可欠なイラスト、アイコン、アニメーション、壁紙、写真、ライン、文字、フォント、ボタン、バナー、音などの無料の素材サイトは世界中に膨大な数がある。写真素材に的を絞り、「無料写真素材」のキーワードで Google 検索をすると、4,600,000件がヒットするくらいである。自然、風景、動物、植物、人間、建物などのカテゴリー別に分かれ、使用目的によって制限が加えられているサイトもある。ここでは、英語教育・学習に有益なサイトの例を2つだけあげてみる。1つ目は、世界的に有名な ESL/EFL サイトの1つ Dave's ESL Cafe(http://www.eslcafe.com/)である。その中の Photo Gallery は、異文化理解に役立つ素材をたくさん提供してくれている。(図1参照:省略)10月の行事に関係のある Halloween では、Trick or Treat! の表現やその由来の話や、具体的な仮装のための化粧やコスチュームの例もあり役に立つ。3サイズ(small、medium、original)で提供されており、自分で加工しなくとも、すぐに使用できるメリットもある。  

2つ目は、自画自賛で恐縮だが、筆者が管理するサーバの1つに保存し、公開し、オリジナル写真を提供するPhoto Galleryサイト(http://www.tell.is.ritsumei.ac.jp/photogallery/index.html)である。執筆時点での写真総数は814枚。ここ5年間ほどカナダへ行く機会が多いので、写真も一番多いが、その他にもオーストラリア、ヨーロッパに関する写真もある。異文化理解などの教育目的の教材として、大いにご利用願いたい。


パワーポイント素材サイトの例

パワーポイントがプレゼンテーション・ソフトの定番となっているが、そのテンプレートやクリップ・アートの素材を公開して無料で利用できるサイトがたくさんある。しかし、希望通りの無料素材を提供してくれるサイトは少ない。Microsoft Offce Online のテンプレート(http://office.microsoft.com/ja-jp/templates/CT011323751041.aspx)は定番サイトであるが、Printout Factory の中にある PowerPoint Factory(http://www.printout.jp/factory/powerpoint/index.html)は、パーツ素材やチャート素材があり、特にパーツ素材は秀逸で何かと使いたいマークなどもあって、お勧めである。画像ファイル単体としての提供ではなく、パワーポイントのスライド上に画像が貼り付けられた状態で提供されており、簡単に自分用に加工して利用できる点も便利である。(図2参照:省略)

また、720の無料テンプレートがダウンロードできる Powerbacks(http://www.powerbacks.com/index2.html)もお勧めの1つで、18種類の目的別トピックから選択できる


動画ニュース素材サイトの例

現在、世界中のマスメディアがビデオ・ニュースを提供しており、ファイルを保存しない Streaming 方式またはファイルをディスクに保存する Download 方式で視聴することができる。BBC News International version (http://news.bbc.co.uk/) あるいはその日本語解説のある BBC World (http://www.bbcworld-japan.com/)、CNN.com International (http://edition.cnn.com/)、VOA Special English (http://www.voanews.com/specialenglish/)、PBS News & Views (http://www.pbs.org/news/) などのウェブ・ニュース番組を利用すれば、世相を反映した政治、経済、ビジネス、歴史、教育、文化、自然科学、工学などに関する最新情報を入手して、「生の(authentic)」英語を学習するための好材料を提供するばかりでなく、幅広い知識を得る手段ともなる。しかし、注意しなければならないのは、ニュース素材自体の陳腐化が早く、すぐに学習者の関心事にそぐわなくなることもあるという点である。どのようなサイトの、どのコンテンツを選ぶかは、教育実践者あるいは教材開発者自身の使用目的・形態・期間などで異なり、一概には言えない。関連オンライン・タスクがあったり、スクリプトが提供されたりしていればよいが、いずれもない場合の教材作成には、資金、労力、時間が相当かかることを覚悟する必要がある。  

標準的な英語のニュース番組を視聴するには問題があるが、1500語程度の語彙数で1分間に100語程度のスピードの遅い英語のものがよいという初級レベルの学習者には VOA Special English Weekly TV が妥当である。

ビデオクリップ素材のサイトの例

視聴するには Win/Mac いずれか対応で無料入手できる QuickTime 7 が必要であるが、最も人気のあるビデオクリップ・サイトとしては、3サイズから選択でき、最新のものを含め、膨大な映画予告編データベースから選択して視聴できる Apple Movie Trailers (http://www.apple.com/jp/trailers/または http://www.apple.com/trailers/)がある。これらの映画ビデオクリップと関連付けて、オンライン・タスクを課せば、迫力ある映像と音声で、楽しく生きた英語が学べるし、視聴後のペアワークによる感想を述べ合う発信型会話練習や小グループによる討論などもできるであろう。ただし、話されるスピードが速くスラングが使われるなどの問題点があることは認識しておかねばならない。  

次に、CIEC(Council for Improving Education through Computer)外国語教育研究部会プロジェクトの例を挙げてみる。アジア向けに多言語で提供される VOA 衛星放送プログラムの中から厳選した英語番組を録画し、マルチメデイア教材化し、すでに一部の英語授業などで利用されてきている。3プレーヤ(Real/WindowsMedia/QuickTime)のいずれの形式にも対応できるように加工された英語教材データベース・サイトとして、VOA Project Test Page (http://www.ciec.or.jp/~voa_project/index.html)が作られ、サンプルや素材を提供している。すでに放送が終了してしまったが、米国旅行などに役立つ観光ガイド番組の Snapshots に加え、様々な科学の世界の最新情報番組 Science World、最新 ICT 番組 The New Edge、最新の世界ニュースを提供する NewsHour から英語学習ビデオクリップ教材として相応しいものを録画・選別し、圧縮・加工したものである。これらのほとんどが、VOA の母体となる IBB (International Broadcasting Bureau)から基本的な利用の許諾を得ている。素材のレベルは、Intermediate Level 以上の学習者が対象となる。  

このところのAppleのiPodとiTunesが爆発的に普及しており、日々更新される Podcasting 番組で英語学習もできるようになった。mp3 フォーマットの音声英語学習番組も多いが、ビデオ iPod に対応したサイトを紹介する。station81.com(http://station81.com/main.asp)の Brain Food 英単語編は、5秒間に10個の英単語が英語母語話者により2回発音された後、日本語訳が示され、2回発音されるスタイルである。単純だが、バイリンガル・トレーニングに有効かも知れない。また同サイトの、ロサンゼルスから毎週届けられる様々な題材を基にした日常英会話番組「エルビス●ストーン●トルーパー」は、最初にビデオクリップが提示・紹介され、さらに字幕と共に再提示され、次に日本語吹き替えを聞きながら再視聴し、その中のキーワードのいくつかを英語と日本語訳で学習する。いずれも通学途中などの自由な時間帯に視聴可能な教材である(図3参照:省略)。


上記に紹介したサイトは、膨大なサイトの中のほんの一部に過ぎない。中高大レベル間での違いもあり、使用目的も利用形態も異なるであろうが、語彙力、リスニング力、異文化理解を高めるのに役立つ静止画や動画の素材やプレゼンテーション素材サイトを中心に取り上げた。読者諸氏にとって効率良く、効果的にヴィジュアルなサイトを探し、独自性を出す教材開発に役立ち、実際の授業でも即利用可能な教材サイトであることを願っている。


「英語教育」2006年10月増刊号

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【特集 I】ヴィジュアルを活用してイキのいい授業を!
【特集 II】2006年度の英語教育 総括と展望



【特集 I】ヴィジュアルを活用してイキのいい授業を!
古典的手法をいまどきの生徒に合わせて:
あなどれない板書活用法
(四方雅之)
古典的手法をいまどきの生徒に合わせて:
謎解き見出し・写真
(田邉祐司)
パワーポイントで生徒の印象に残る文法指導と問題作成を
(松岡博信)
ヴィジュアル・エイドを使って授業効果をアップ
(長嶋茂雄)
一枚の写真を使って効果的な導入を
(田中武夫)
海外テレビドラマを利用した学習のすすめ:
実用的会話力をつけるために
(山田詩津夫)
パワーポイントで学生にプレゼンさせる授業
(小野田 榮)
テストもヴィジュアライズ
(萩野俊哉)
内容理解のアウトプットも目に見える形で
(河本厚子)
生徒にウケル授業内小物
(蒔田 守)
文法指導や英文解釈も視覚に訴えて
(草間浩一)
ヴィジュアルなリスニングテスト
(萩野俊哉)
映画を観て会話表現を身につけよう:
DVDの効果的な使い方
(松岡博信)
クイズ・パズル活動を授業へ取り入れよう
(吉田文典)
ニュース(BBC)を印象的に:
リスニング活動と他の活動を組み合わせる
(小野田 榮)
授業研究にビデオを活かす:
撮影から検討会まで
(淡路佳昌)
[資料編]
CALL 教室質問箱

(松岡博信)
ヴィジュアル作りに役立つサイト (野澤和典)

【特集 II】2006年度の英語教育 総括と展望

2006年度大学入試の特徴とその対策
(杉山俊一)
英語教師のマルチメディア教材活用法:
普通教室でもこう使える
(尾関修治)
英語教育日誌[2005年4月~2006年3月]
(伊村元道)
英語教育図書:今年の収穫・厳選12冊
(柳瀬陽介)

【特別記事】
<学校教育への提言 1>
教師のサポート体制の充実を

(吉田健三)
<学校教育への提言 2>
こんな学習指導要領にしてほしい

(松沢伸二)
<学校教育への提言 3>
日本もこんな英語教育政策を:
韓国・中国の英語授業とそれを支える政策

(木村裕三)



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