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がんばれ! 子どもの英語教育 - コラム

小学校の現場や教育行政、教材など、子どもの英語教育全般を語る。

このコラムについて

コラム

2009年4月20日

子どもの英語教育全般を語るコラムにしたいと思っています。

特に今年は小学校外国語活動に注目するべきでしょう。小学校の現場や教育行政、教材などコラムで取り上げていきたいと思います。

また、民間の子ども英語教育における現状も随時話題に取り上げ、日本の子どもたちへの英語環境について考えていければ幸いです。



【Vol.1】小学校で英語がスタート。小学校外国語活動の時間とは?

コラム

2009年5月25日

■4月から始まっています、小学校外国語活動の時間

夕方、犬の散歩をしていると、近所で遊んでいる子どもたちがうちの犬の名前を呼びながら近寄ってきました。我が家で飼っているのは白い柴犬の女の子。ソフトバンクのCMで有名になった白い北海道犬のお父さんのおかげで、近所の子どもたちに大人気です。ふと、集まってきた5~6人の子どもたち同士の会話に耳を傾けていると、

  「犬ってDogって言うんだよ。」
  「Bow Wow!」
  「Whiteだ!」

子どもたちの会話の中に英語が飛び交っているではありませんか!きっとその日は小学校で英語を習ってきたのでしょう。特に英語の歌は耳に残っているらしく、習った歌を女の子二人で歌っていました。私はその姿を見ながら、「英語が子どもたちの身近に存在するようになったのね。」と感慨深く実感。

これは今年4月から公立小学校で「外国語活動」が始まったのが大きな要因でしょう。小学校における英語教育には賛否両論があり学識者の間でも議論され続けておりますが、徐々に準備も整ってようやく実施になりました。始まったのは、小学校5年生と6年生を対象とする外国語活動です。

■構想から実施まで18年もかかりました

1997年に出版された『小学校に英語がやってきた!』(注1)によると、1991年12月に小学校への英語導入の検討が提言され、1992年5月、大阪の2小学校での研究がスタートしました。そして、まだ記憶に新しい「総合的な学習の時間」が2002年から始まったのと同時に学校の裁量によってその時間内に「英語活動」という名称で実施されてきました。それから8年目にして、ついに今年4月から「外国語活動」という正式名称になって全国で授業が実践されています。実に18年。

本当に時間がかかっていますね。慎重に慎重を重ねて実施に至ったわけですが、正式に実施されるのはさらに2年後の2011年4月からなのです。今年から2年間は外国語活動に取り組む学校、取り組まない学校、取り組んでも年間10時間など、未だはっきりしていません。

小学校の先生たちに尋ねてみますと、4月にアルファベットの歌を歌った、かるたゲームをした、という感じです。子どもたちの実態、また、様子を見ながら徐々に取り組む必要がありますので、一気に進められないのが実情でしょう。

■補助教材の英語ノートとは?

note.jpg
 英語ノート1&2

高学年児童を対象にする外国語活動は年間35時間。活動を補助する目的として文部科学省作成の「英語ノート」と呼ばれる補助教材も児童一人一人に配布されています。全頁カラー刷りで、子どもの目を引くかわいいイラストの教材に仕上がっています。国際理解教育を大いに取り入れ、英語を使って表現することで、コミュニケーション能力を育成する内容がメインとなっています。また、6年生用の「英語ノート2」には英語の文字もふんだんに使われていますので、中学校の英語教育のプロローグとしても利用できるように仕組まれています。

誰かが言っていましたが、「日本の教育の特徴は、北から南まで全国すべて同じ内容で統一されていること」だそうです。全国の公立小学校で使われる英語ノートで学習すると、全国の小学生が中学校に入学する以前に同じ内容を共有することになります。これが良いことかどうか判断しかねるところですが・・。

小学校における英語教育は、英語ノートをスタンダードと考えがちですが、決してそうではありません。英語ノートはあくまでも参考資料、補助教材の位置付けとなります。教室では様々な外国語活動が期待されています。教師の力量しだいでは英語ノートは必要ない場合も出てくる可能性がありますね。もし私が小学校教師で6年生を担任することになったら、英語ノートの内容は50%ほど使うでしょう。あとの50%は子どもの実態に合わせて他教科の内容も取り入れながら総合的な学習の時間に含めてしまうと思います。

■親として気になること

3月、一人のお母さんが「小学校で英語を教えるようになれば、塾に英語を習いに行かなくてもいいよね?」と、私に尋ねてきました。彼女は小学校6年生の娘をもつ親です。実際、塾に行かなければ家計も助かりますし、子どもが自由に遊ぶ時間も増えます。彼女の考えることはもっともなことです。ところが、英語を教えている小学校の周囲の英語教室や塾では生徒が増えている現象も起こっています。これはいったいどういうことでしょうか。次回のコラムでは子どもの英語教育を学校教育だけの視点からではなく、民間の英語教育まで広げて語りたいと思います。


最後までお読みくださりありがとうございました。これから毎月第4週に新しい記事をアップしていきます。どうぞ最新の子ども英語教育事情をお楽しみくださいね。


<参考文献>
小川隆夫 (2006) 『先生、英語やろうよ!』 松香フォニックス研究所.
清水万里子 (2003) 『子供のための英語』 金星堂.
高橋美由紀 編・著(2008) 『これからの小学校英語教育の構想』 アプリコット.
松川禮子 (1997) 『小学校に英語がやってきた!』 アプリコット.

■関連サイト
小学生が学校で使う英語ノートって何?




【Vol.8】チャンツは作りやすい、教えやすいテクニック

コラム

2009年6月10日

■チャンツは便利な指導法です

高学年児童に最適な「チャンツ」と呼ばれる英語のリズム取り。ぜひ使ってもらいたい指導法です。私はいつもチャンツを使っていますが、あまり失敗のない指導法だと思います。

子どもの英語教育において歌は欠かせないアイテムの一つ。でも、高学年児童には「さぁ、歌って!」と言ってすんなり歌ってもらえるわけではありません。発達段階を考えると、♪メリーさんの羊のような曲では満足いかないですし、かといって、ビートルズのような曲を歌うのは英語の難しさも手伝ってなかなか歌えない。これを解決してくれるのが「チャンツ」なのです。

■単語のチャンツ、文章のチャンツ

どんなリズムでもチャンツ指導法になってしまうのが良いところです。例えば、高学年児童に英単語を練習するチャンツを作るとしましょう。「英語ノート2」を参考に単語を取り出してみます。

*英語ノート2より L9 I want to be a teacher.

florist, dentist, zookeeper, carpenter, vet, baker, dancer fisherman, comedian, lawyer, artist

一単語で表現できる職業に焦点を当てます。これらの絵カードを並べて、決まったリズムに乗せて発音すれば職業チャンツのできあがりです。

次は文章に焦点を当てましょう。文章は2文です。例えば次の2文を見ましょう。

What do you want to be?
I want to be a zookeeper.

子どもが言いやすいように4拍子のリズムで言うと簡単なチャンツができます。少し長い文章にして同じように4拍子で言っても良い練習になります。例えば、

What do you want to be in the future?
I want to be a zookeeper in the future.

チャンツは早口言葉のリズムバージョンですね。下の写真は、私が好んで使っている季節ごとのイベントをテーマにしたチャンツCDです。
holidayjazz.jpg

■関連サイト
「チャンツってどういうもの?」
「Jazz Chants Union」



【Vol.2】小学校の英語教育が始まって社会に何が起きた?

コラム

2009年6月22日

■「小学校で英語が始まるよ。」と、うわさが流れた1997年。

tebiki.jpg
 最初に出版された手引書。「小学校英語活動実践の手引き」

2002年度から『総合的な学習の時間』が設置されるだろうと言われていた1997年。その頃の私は英語教員の免許を取得しようと大学に通っていました。当時の英語担当の教授が「小学校で英語が始まるよ。」と教えてくれました。小さな英語教室を経営していた私は、「小学校でも英語を教えることができる!」と単純に喜んでいたことを思い出します。


本格的な小学校英語教育のための研究校が設置されたのが1992年(平成4年)ですから、1997年には導入がほぼ決まっていたのでしょう。実際に『総合的な学習の時間』が始まった2002年からは、英語教育という枠ではなくて、『総合的な学習の時間』の中の“国際理解教育”の一部に英語教育をしてもよいという形でスタートしました。


ややこしいですよね。まだこの頃は賛否両論合戦状態でした。さらに、教材もなし、研修もなし、誰が教えるの?、ALTの確保は?など、ないないばかりで、まさに暗中模索。1997年から2002年の5年間は本当に大変な時期でした。


■民間業者はビジネスチャンスあり!と狙いをつけて猛ダッシュ


公教育においてはドタバタが続いていましたが、民間の英語教育においては、すでに児童英語教育という分野が確立していました。子どもの英語教室はたくさん存在していましたし、その歴史も長いところでは40年数年も。つまり、教える子どもは同じですから、民間の英語教育の手法が小学校の英語教育にも大きく影響することは当然のことです。


少人数か多人数かの違いはありますが、概ね指導方法は同じです。子どもの英語教育を熟知している民間業者にとってはまさにビジネスチャンス到来です。この頃、某テレビの特集で「子どもの英語教育の市場は3兆円!」という見出しがありましたね。本当に3兆円市場なのかわかりませんが、英語教育市場全体のうち子どもの英語教育は四分の一を占めているというデータも出てますので、あながちウソではないかもしれません。


現在ある子ども英語教育に関するいろいろな事業サービスを列挙しますと、

・ALTの派遣
・子ども英語教材開発
・小学校に研修講師派遣
・講師の民間認定資格の付与
・ICT関連の環境、教材の開発
・英語教室の設置
・英語で保育するプリスクール
・英語子育てサークル
・親子留学

などなど・・。

こうして並べるだけでかなりあります。そして現在も新サービスが生まれ続けています。子どもの英語教育は日本の景気を活性化させるキッカケになるかもしれません。

■興味深い親たちの行動

少子化にも関わらず、全国の英語研究校になった公立小学校に周辺にある、子ども英語教室に通う子どもたちが増加している現象が生まれています。考えられる理由として、親の意識が変わった?英語を習うほうが将来のため?他の子どもより優位にしたい?焦った?


1997年以前は、英語教室に通う子どもは40人クラスにほんの数人でした。ところが、今や半数以上の子どもが何らかの形で英語教室に通ったり、学習塾の英語コースに行ったりしています。理由を親に尋ねると、「急にまわりの子どもたちが行き出したので。」とか、「だって学校の先生が英語を教えているって聞いてとんでもない英語を習ったらダメだと思って。」


う~ん・・、一番の理由は小学校の英語教育に対する不安でしょうか?確かに今の小学校の英語教育は英語教育自体を目標にしておらず、国際理解教育とコミュニケーション能力の育成が掲げられていますから。しかしながら、文部科学省は「英語が使える日本人」の構想大きく掲げていますから、小学校における英語教育をもはや外すことはできない状況に来ていると思います。


1997年は日本の子どもの英語教育にとって非常に鍵となる年ですね。面白いことに、お隣の国、韓国も1997年に大改革しています。ここ最近、韓国で作られた英語教材が次々と日本上陸している状況です。


<参考資料>
「英語が使える日本人」の育成のための行動計画(文部科学省)


■関連リンク
新聞が書けない小学校英語必修化のウラ事情




【Vol.3】中学校で学ぶ文法も歌で楽しく教えたい。

コラム

2009年7月21日

■生徒も満足♪文法も歌で教えて丸暗記!

小学校で英語が教えられるようになっても「文法」に関しては何も教えない状態です。整理がきちんとできる中学生になったら何となくでも小学校で習ったことが役に立ってほしいと期待しています。入門期の英語教育において「文法」を楽しく歌で教えた経験を話したいと思います。

それは私が今から約20年前に感動した「文法のうた」のカセットテープです。

つい先日、大学の教職課程の授業で使いたかったので久しぶりに取り出して聞いてみたら、音がきれいに聞こえません。擦り切れて使えなくなっていました。このカセットテープを作ったところに問い合わせしたら、新しくCDが作成されているとのこと。で、早速オーダーしました。

そこは、出版社でもなく、教材開発会社でもありません。英語が大好きで、英語を教えている小さな英語塾です。そこの先生が中学生を教えており、「もっと楽しく文法を教える方法はないものかな」と考え、歌で楽しく覚えるよう作詞して作られました。

■本当に楽しい文法の歌。中学生も喜んで歌います。

grammar.jpg
「うたとゲームで文法バッチリ!」ブリッジ英語会著。他にも「三単現のうた」「Canのうた」「疑問詞のうた」がある。カラオケバージョンあり、ディクテーションありで全28種類の便利なCD。

かつて私が指導した中学生たちが以下のようなことを言っていました。テストの最中に声を出さす口ずさんでいる生徒もいたほど印象が強いようです。彼らは楽しい歌なら一度聞いたら忘れません。私は授業の最後の2~3分に歌を聞かせていただけです。少し余裕があれば、その歌に合わせて虫食いプリントを作ってみたり、小テストを作ってみたりしました。

「先生、この歌、最高にいい!“疑問詞の歌”、わかりやす~い♪」

「テストのとき、“Be動詞の歌”が頭に浮かんで、思わず歌っちゃったぁ。」

「おもしろいねぇ~、“代名詞の歌”」

この「文法の歌」を作詞したのは、清水美代子先生(ブリッジ英語会)です。約40年前から英語を指導されております。「できる子はほっといてもできます。そうでない子が楽しく覚える方法はないだろうかと考えて作りました。」と、清水美代子先生。70歳の現在も英語指導を続けていらっしゃいます。

■ゆかいな「文法の歌」をご紹介

メロディがないとイメージが浮かばないかもしれませんが、下記の♪代名詞の歌は、すでに知っているメロディに乗せて歌っています。♪ドレミの歌です。「ドォーはドーナツのドォ~」そう、あのメロディです。一度、歌ってみましょう。少々アレンジがありますが。

♪代名詞の歌

I, My, Me, Mine
You, Your, You, Yours
He, His, Him, His
She, Her, Her, Hers
It, Its, It, (clap)
We, Our, Us, Ours
They, Their, Them, Theirs, OK?
は、の、にを、もの
は、の、にを、もの
こ・れ・が・代・名・詞~♪


次は私も大感動した「Be動詞の歌」です。メロディは♪Ten Little Indiansです。「ワン リトォー、トゥー リトォー、・・」の歌です。あのホントによく知っているメロディです。


♪Be動詞の歌

(1番)
I am, You are, He is, She is
It is, We are, You are, They are
Be動詞はam, is, are
ひっくり返せば疑問文
notを足せば否定文

(2番)
I was, You were, He was, She was
It was, We were, You were, They were
過去になったらwas, were
ある、いる、です、はBe動詞

英語が苦手だと思っている子でも歌なら無理なく楽しく覚えられるようです。文法はやっぱり大事。ぜひ歌を利用してみましょう。

CD購入希望の方は下記にご連絡ください。

■ブリッジ英語会
横浜市南区別所3-14-1
電話・FAX:045-711-8351


■関連サイト「歌で覚える英語」



【Vol.4】暗唱でテストの成績が伸びた中学生

コラム

2009年8月24日

■英語のテスト20点の中学校1年生。

この生徒は男の子です。学習も集中力が続かず、子ども自身も投げやり。英語なんて大嫌いという中学生です。塾に行っても成績は下がる一方・・。困った親は家庭教師を付けました。家庭教師になった大学生は教員志望の熱意ある男子学生です。週2回の家庭教師の授業に懸命に取り組んでいました。

ところが・・。

家庭教師をスタートしてから3か月ほど経ったとき、学校でテストがありました。大学生の家庭教師は大ショック・・・まったく成績が伸びていません。あれだけ楽しく授業をしたつもりなのに何にも覚えていない・・。

さぁ、お母さんを交えて緊急家庭会議です。困った、困った、ますます本人のヤル気なさが増長していくばかり。家庭教師を引き受けた大学生は「う~ん、どうしよう・・」と悩んだ末、私のところに相談に来ました。この大学生は私の授業を受けている学生さんでした。

■まずは「音読」をさせよう!

学習状況、レベルなど相談をしながら出た結論が以下でした。中学1年生なら教科書の内容も少ないから音読で丸暗記させるのが第一歩。スラスラ読めるようになるまでやる。その学生はアメリカの大学を卒業している帰国子女。これらのメリットを生かして徹底的に音読させようということになりました。

週2回の家庭教師で、音読の速さの時間を計ります。始めは数分かかって読んでいた生徒がだんだん速く読めるようになりました。生徒は次の授業のときに記録を更新したくて、毎日音読をするようになりました。家庭教師の大学生は自分自身も生徒が伸びていくのが面白くてたまりません。心の底から「よくやった!先生もうれしい!」という声掛けをするようになり、数秒で読めるようになってきた生徒も先生の喜ぶ姿をみて満足そうでした。

スラスラと読めるようになってきたころ、「さぁ、次の段階に進もうか」とプリントを用意しました。穴埋めプリントです。いわゆる虫食いプリントというものです。教科書の文章を丸暗記している生徒ですから、穴があいたところも読めるわけです。しかし、単語を正しく書けない。少しジレンマが生まれました。

「じゃあ、単語を正しく書く練習をすれば、カッコ内を埋められるね」と大学生がアドバイスをすると、生徒は単語を練習するようになりました。家庭教師の日までにすごい量を書いて練習していたようです。そして正しく単語が書けるようになりました。穴埋めも徐々に多くしていき、最後にはカッコすべてを書けるようになりました。

■ヤル気にさせるテクニックを知る

3ヵ月ほど経ったころにテストがあり、良い成績を取ったという報告を大学生から聞きました。たった3ヶ月で中学生は伸びるのですね。ヤル気にさせるテクニックを知って実践することが教える側の唯一の方法でしょうか。私の授業を受けていたその大学生は「絶対に教師になる!」と決心したようです。指導する面白さや生徒の喜びを一緒に味わうことで、確固たる気持ちになることを私自身も勉強させてもらった出来事でした。

その後の様子ですが、自信をもった中学生はがむしゃらに学んでいた時期を過ぎ、少々タルんでしまったということでした。二回目のテストのときは前回よりも下がってしまったらしいです(笑)。生徒いわく「油断した・・」ようです。おそらくこのようなことを繰り返しながら基礎力を付けていくのでしょうね。

■関連サイト

子どもをヤル気にさせる4つのスイッチ




【Vol.5】ノルウェーの16歳少年とロシアの13歳少女

コラム

2009年9月28日

小学校の英語必修化を2年後に控え、今年の夏は全国各地で数多く学校で教員研修が行われています。先生たちの声を聞くと、小学校からの英語教育をどのように進めたらよいのか、「英語ノート」をどのように使いこなしたらいいか課題は尽きないようです。

海外の小学校でも英語教育を取り入れています。隣国、韓国では小学校3年生からスタートしています。日本はアジア諸国でも遅れてのスタートになります。せっかくスタートするのですから成果をあげてほしいですね。

さて、先日海外に出かけたときのことです。公立高校と中学校のESLクラスを参観する機会がありました。今回のコラムでは、そこで出会ったノルウェー出身の16歳の少年とロシア出身の13歳の少女の英語力について語りたいと思います。

■レベル別クラス
最初に見学したクラスは公立高校のESL初歩のクラス。学んでいる高校生は世界各国から来ていました。全部で200名ほど。その中には日本人の女の子も2名いて、日本の同じ高校からの1年間留学生たちでした。クラスは英語のレベルに合わせて分けられており(15~20名)、留学5か月目の日本人の女の子たちは「聞くことはできる」ようになっていましたが、まだ流暢に自分の意見を英語でスラスラ述べるというレベルには達してはいないようでした。

私がゲストということでしたので、ESLの先生は一人一人に英語で自己紹介をするよう促してくださり、各生徒は英語で、名前、出身国、好きなものを話してくれました。ラテン系の生徒たちは明るくよくしゃべり、アジア系はおとなしく静かです。アフリカ、中近東、ヨーロッパ、とにかく世界各国から集まっているのでいろいろな英語の発音が聞けて楽しかったですね。

■基礎的なことは日本の中学英語
指導アプローチは異なっていても、初歩レベルのクラスは日本の中学英語レベルの内容を基本としていました。そのときは過去形を学んでいましたが、日本人の女の子たちには簡単だったかもしれません。ところが、メキシコ出身の生徒、アフリカ出身や中近東出身の生徒たちには非常に難しいらしく、彼らは何度も同じ練習をして学んでいました。he, sheの見分け方、edのつけ方など。住んでいた国の英語教育環境の違いでこんなに差があるのかと驚きました。

次に見学したクラスは上級クラスでした。ノルウェーからやってきた少年は、その日が初めての授業日でしたが、事前のプレイスメントテストで良い成績だったため、上級クラスに振り分けられて座っていました。新しいクラスメートの中でぎこちなさそうに学んでいました。プリントの時間になったので、隣に座っていろいろ尋ねると、ノルウェーでは小学校から英語を学んでいるので、授業にあまり違和感がないそう。授業はオールイングリッシュで習っていたそうです。彼が解いていたのはclozeテスト式のプリントでしたが解くスピードの速さに驚きました。

■ロシアの女の子
次に訪れたのは中学校。市内でもESL教育に熱心な学校です。そこで出会ったのはロシアからやってきた少女でした。彼女もその日が初めての授業日でした。13歳のわりには大人びた感じの子です。彼女は初日ということもあって緊張の中、テストを受けていました。こちらもclozeテストでした。全部で30問ほどあり、あっという間に終わってしまいました。

尋ねると、ロシアでも小学校から英語を習っていたそうです。13歳で得ている英語力はかなりのものです。どんな風に学んでいたのか知りたくなりました。私は隣に座って彼女が問題を解くのを見ていましたが、読んで一瞬で正解を入れていく様子が見られました。そのテストシリーズは多読のアセスメントのものでした。他の子どもたちは多読用の本を選んで要約をしていましたね。一斉授業ではないので、各自いろいろな学び方をしていました。

■小学校で学ぶ英語
ノルウェーの少年も、ロシアの少女も会話力がありました。私からの質問にもすべて答えてくれましたし、小学校で学んでいた様子も細かく話してくれました。話していて、日本の中学校英語レベルはすでに小学校で学んでいるという感じでしたね。

その日、帰る途中で考えさせられました。日本の小学校英語はどこを目指していくのでしょう?世界レベルを目指すのならもう少し指導内容を考えなければいけないかもしれません。

■関連サイト
「5年生から始まります!小学校英語の必修化」



【Vol.6】カルタ取りゲームのいろいろな方法

コラム

2009年10月26日

■カルタ取りゲームもいろいろ
子どもの英語教育でよく使われる「カルタ取りゲーム」。工夫しだいでもっと楽しくなります。でも楽しいだけじゃありません。英語教育の4技能もしっかり学ぶことができます。今回のコラムでは私が日常的に使っている方法をいくつかご紹介したいと思います。ではまずシンプルなカルタ取りゲームから。

ゲーム(1)Phonics Karuta Game
準備するカルタは「動物の絵カード」にします。だいたい10種類ほど用意するとよいでしょう。最初の文字のフォニックス音を2回繰り返してから動物の単語を言います。

例:「l, l, lion.」「m, m, monkey.」「r, r, rabbit.」「d, d, dog.」

ゲーム(2)Three HInts Game
名詞の絵カードを用意します。たとえば「動物」や「食べ物」にしましょう。スリーヒントですから、先生が絵カードを見て即座に判断してヒントを与えます。

例1:「long, big, gray」・・・elephant   「potatoes, carrots, onions」・・・curry and rice

例2:「It has four legs. It is a pet. It says bow-wow. 」・・・dog

例3:「Ken likes it. Mika does not like it. Taro likes it.」・・・yogurt
*クラスの子どもの名前を使うこと。子どもたちの好き嫌いを知っておきましょう。

ゲーム(3)Lucky Unlucky Game
普通にカルタゲームをします。カードの名前を取ったあと、カードの裏にしるしがあるカード(ラッキーカード)を取った人が勝ちになります。このゲームはいつもカードをたくさん取る子どもが勝つというルールが不適用になりますので、たった一枚取れた子でもそのカードがラッキーカードだった場合、チャンピオンになれます。

■単純カルタ取りにプラスαの指導テクニック

ゲーム(4)Speed Reading Game
絵カードと文字カードを使ってのカルタ取りゲームです。このゲームの場合、先生は「One, two, three!」という掛声だけで一切話しません。文字カードを見せるだけです。

例:「One, two, three!」と言って、文字カードを見せる。子どもたちは文字カードを見て机の上に広げてある絵カードを選んで取る。
*初期段階のクラスでは文字付の絵カードにしておくと便利です。また、この反対に、絵カードを見て文字カードを取ることもできます。

ゲーム(5)What's missing Game
絵カードを用意して机の上に広げておきます。子どもたちに目を閉じてもらい、その間に、絵カードの中から一枚取り出します。そして目を開けてなくなっている絵カードを探してその言葉を言います。カードを戻して再度同じことを繰り返すゲームです。

例:先生「What's missing?」、子ども「A Cat!」
*同じ絵カードを2枚以上用意しておくと、複数形を学べます。たとえば、catのカードを二枚用意しておき、「What are missing?」「Two cats!」


ゲーム(6)陣取りゲーム(4名)
ペアを作りそれぞれペア対戦のゲームです。絵カードは何でもよいです。全部で40枚用意しましょう。各ペア20枚ずつ自分側に絵カードを向けます。先生の読んだカードを取ります。自分の陣地にあるカードを取ったら裏返しにします。もし相手の陣地にあるカードを取ったら、自分の陣地にある絵カード1枚を相手に渡し、取ったカードを自分の陣地で裏返しにします。陣地内のカードがすべて裏返しになったら勝ち。

まだまだありますが、今回のコラムではこの辺で終わりとしておきますね。

■関連サイト:
知育かるた「越後ふるさとカルタ」
フィンランドメソッドで表現力を高めよう~筋道を立てて考えるカルタ~5W1H~



【Vol.9】我が子に幼児英語教材セットを買うべきか?

コラム

2009年11月02日

■幼児英語教材セットは30年ほど前から人気
古いところでは、「ディズニーの英語システム」(ワールドファミリー)ですね。一番人気の教材セットです。ビデオセットをメインにして絵本、カード、カードリーダー、キャラクター商品などの周辺教材を付けています。

新しいところでは、「セサミえいごワールド」(いずみ書房)も人気のセット教材です。また、ベネッセからは「ワールドワイドキッズイングリッシュ」が通信販売されています。

■さて買うべきか、買うべきではないか?
幼児英語教材セットが出てきた頃は、児童英語教育についてほとんど知られていなかった頃です。書店、スーパー、デパートで子ども用の英語教材を見ることは皆無に等しいくらいでした。唯一手にはいる教材と言えば、幼児用の英語教材セットの通販でしたね。訪問販売が主です。この販売方法は今もあまり変わりありません。

さて、買うべきか?

結論から先に言うと幼児用のセット教材を買う必要性はありません。理由は一つ。今の世の中、子ども用の英語教材なら安価で種類も豊富。つまり欲しいときに欲しいだけ手に入るというわけです。ですから、わざわざセット教材を買うことはないのです。

しかしながら、セット教材でも、小分け販売している場合もあります。その場合は5万円ほどから販売していることもあるので、欲しい教材だけ買うことができます。いずれの場合もお財布と相談して購入しましょう。ローンだけ組んでしまって使わなくなってしまうことのないように。それではせっかく購入しても意味がないですね。

■中古販売店にある商品も人気

幼児英語教材セットは欲しい人には欲しい商品です。そこで新品で購入すると高額になるため、中古の商品を探す人が増えています。今や中古の幼児英語教材セットを販売する会社が本家本元の会社のライバルになっている状況だと聞きます。

新古品であることも多い幼児英語教材セット。教材を使っていない状況を知ると私としては少しさみしい気がしますが、なかなか長続きしないという現状があるのでしょう。ちなみに私の友人2名に協力してもらってセット教材を使ってもらいましたが、楽しんで使っていたのは最初の3カ月でした。親の根気がいちばん影響するようです。

■関連サイト

「ディズニーVSセサミ」



【Vol.7】多読多聴で確かな英語力を付ける

コラム

2009年11月30日

■公文式で学ぶ小学2年生の女の子の音読に驚いた私

子どもの英語教育に関わっていると、驚くべき事実に出合って感動することが多くあります。先日訪問した公文のお教室での光景でした。公文式教室は自学自習を基本にしているので自分のペースでどんどん学習プリントを進めることができます。彼女は小学校2年生でしたが、実際に取り組んでいたのは中3レベルの英語プリントでした。

横から見ていたら、私の知らない単語が出ていたので、「これ、何て読むの?」と尋ねると、きれいに発音してくれました。中3レベルといっても多読をメインにしている公文式のプリントですから、普通の英語の小説、エッセイを教材にしています。つまり学校教育の英語では出てこない単語がたくさんあるわけです。それらを音声CDを聞いてそのまま発音するわけですから、彼女の発音はCDから聞いた音だけ。
特に聴く力の優れている時期ですから、話す英語はネイティブの音そのままです。

公文式の教室ではタイマーを持って自分で時間を計りながら音読をしていました。子どもたちは教室にいっぱいいますが、それぞれ好きな科目を学習しているので英語を読む子どもたちは小さな声で英文を読んでいました。それでもあまりうるさくないのです。何と言いますか、ざわざわ感があるのですが、あまり気にならないという独特の空間でした。

公文式ではごく普通のことらしいです。彼女のような学習例は普通のことのようで、できる子はどんどん先に進めますから小学校2年生でも中学校、高校の内容に進むことができます。彼女が中学生になったらどんな感じで英語を捉えて学習するのでしょうか?とても楽しみですね。読み書き、計算、英語力。これが公文式の目指す教育です。

■ラボ教育センターの多読英語学習
基本は物語を英語で読むこと。同じように多読で英語学習に取り組んでいるラボ教育センターのお話を聞きました。児童英語教育学会でラボ教育センターの方が発表していました。ラボ教育センターの教室の特徴は、「英語の絵本」を使っていることです。多読ですね。本物の英語絵本を利用して英語を学習していきます。絵本から英語劇に仕立てて発表するという手順のようです。

英語の絵本をそのまま使って、読み聞かせ、多読、演技、英語劇まで英語学習に沿いながら進めていく手法です。絵本がそのまま手元に残るっていいですね。いわゆる英語教材じゃなくて本物の絵本が家にあるなんて楽しいと思います。どれもCD付きの絵本になっていて、「ナチュラルな英語をナチュラルな音声」で聞くことができるようになっています。多読多聴ですね。

子どもの英語教育には英語絵本は欠かせない教材の一つですが、英語絵本だけに絞って英語レッスンを展開しているのは珍しいと思います。

■学生たちも多読で英語力を伸ばす
私が勤めている外国語専門学校でも多読を取り入れています。図書館から好きな英語本を選び、数週間で読んで感想を提出するというものです。多読の効果はというと、学生たちのTOEICのスコアの伸びをみると多読効果もかなりあるのではないかと思います。英語を読むという学習は地味なようですが、非常に効果の高い方法なのだと感じます。

Graded Readingと呼ばれる多読シリーズはたくさん出版されています。このタイプはレベル1からスタートする簡単な内容のものから始まり徐々に文字数も多くなっていくというシリーズです。英語学習用に作られていますのでこのシリーズを利用して学習を組んでいくこともあります。

私自身は一時期、アガサ・クリスティシリーズに凝ったことがありました。英語を読んでいるというよりも、小説の内容に入り込んでしまった記憶があります。英語を学んだという実感はありませんが、英語をはやく読めるようになったかなという実感はありましたね。多読学習は一生ずっと続けていくものでしょうね。


■関連サイト
ラボ・パーティ
公文式
公文式の英語で学ぶ子どもたち



【Vol.10】小学校英語教育の「なるほど」

コラム

2010年2月01日

■「英語ノート廃止」騒動が起きた!

この騒動、まだ記憶に新しいですね。平成21年12月、事業仕分けによる「英語ノート廃止」。結果的には22年度も23年度も制作、配布されることに収まりましたが、24年度以降はどうするのかまだ決まっていません。しかしながら、どのような形であれ、英語ノート、もしくは英語ノートに近いテキストが子どもたちの手に届くことになるでしょう。小学校外国語活動自体がなくなることはもはやありません。

先日、全国小学校英語活動実践研究会による第6回大会が行われました。参加者は二日間通して約2,800名。大会場には座る場所もないほどの人、人、人。全国から英語活動に熱心な先生たちが一同に会した機会でした。

■ややこしい表記

平成23年度の本格必修化では小学校における英語教育のことを「小学校外国語活動」と呼んでいます。でも「小学校英語活動」という言葉は今も健在ですし、小学校英語教育、早期英語教育もよく使われている言葉です。

「英語活動」がいつのまにか(というか、いきなりでしたが・・)文部科学省の手によって「外国語活動」になっていました。今回出席した大会は「全国小学校英語活動実践研究会」という名前なので「英語活動」という言葉は指導現場レベルで使われているという認識でよいと思います。

■「なるほど」と思ったこと

午後の部に分科会があり、私は第二分科会に参加をしました。小学校で英語活動をおこなうメリットはいくつかありますが、分科会の話の中で印象に残った部分がありました。琉球大学の大城教授によるご指導があったのですが、彼の話の中で2点、とても興味深い内容がありました。

一つ目は、英語教育面からの内容です。中学校の先生が中1の生徒たちにこれまでと大きく違う点を発見した点でした。中学校の英語テストで、Are, Is, Am, Does, Doなどを選択する問題を出しているそうですが、Am you?, Does you?などの間違いが極端に減ったとのことでした。

つまり、聞いたことのない音の流れだったわけです。小学校時代に聞き慣れている音のフレーズの中で、Does you?という音を聞いたことがなかったため違和感があり、その結果、Does youのような選択をしなかったということになったのだろうということでした。

二つ目はコミュニケーション態度です。大城先生のお話では「外国人と話すとき、単語を知らないから話せなかった、という状況が変化してきている。単語を知らないから、なんとか伝えたいと思って、ジェスチャーを使ったり、知っている単語を並べたり、絵を描いて説明しようとしたりする態度が生まれているようだ。」

つまり、「英語、話せないから」という理由で外国人とコミュニケーションをとらない、とろうとしない、会話を避ける、というような態度が減ってきたということでしょう。

私は「本当に伝えたい」と思う内容があるからこそ、それを理解してもらおうと何とか知っている英単語やジェスチャーであきらめず伝えるという心が育っていくのだと思います。これは英語力以前の問題だと思いますが、人とコミュニケーションする場合には大切なことだと思います。

単語がわからなかった場合、その単語を自分が知らないことを気付くのもよいことだと思います。その単語はきっとすぐに覚えるでしょうから。

研究大会の発表や報告を聞くといろいろな結果が出てきています。単純に英語教育面だけを見ていては小学校外国語活動の真の意味を理解することは難しくなります。児童が育つ環境に「英語で活動する授業がある」というのは奥深い意味があるということを忘れてはいけないと思います。

■関連サイト
「全国小学校英語活動実践研究会」
「JES小学校英語教育学会」
「JASTEC日本児童英語教育学会」



【Vol.11】幼児教育と児童英語教育

コラム

2010年5月26日

■保育士、幼稚園教諭、児童英語教師はまったく違う!

当然と言えば当然のことですね。「保育士」、「幼稚園教諭」、「児童英語教師」はまったく異なる意識をもった人たちです。どれも子どもと関係ある仕事ですが、意識の違いで行動がガラリと違います。

ある英語保育をしているインターナショナル幼稚園であったできごと。普段は保育士として働いているネイティブの人が会社の方針で課外の英会話スクールの先生をすることになりました。ところが、子ども英会話の先生として全く教えることができなかったそうです。傍から見れば、ネイティブ講師だし、保育士なのだから、子どもを扱う仕事なら大丈夫そうですが、子ども英会話の先生としては本人も上司もこりゃダメだという見解でした。

逆のパターンもありました。普段は子ども英会話講師として働いているネイティブの先生が会社の方針でインターナショナルプリスクールの兼任講師になりました。ところが保育士として勤務することに苦痛があると訴えてきました。結果は、保育士としての勤務はなくなり、子ども英会話講師の仕事だけになりました。

■仕事の形態、意識のあり方が違う

子ども英会話の先生はある意味パフォーマーであることが大切になってきます。英語レッスンには区切りがあり、40分や60分毎に休み時間があります。そして同じレッスンを何度もすることがありますし、子どもが飽きずに英語を習得させる教授方法も考えてレッスンを組み立てます。

保育士はどうでしょう。保育の仕事はレッスン式に区切りがあるわけではないです。トイレに行く時間も他の保育士と連携を取らなければいけません。基本的にまったく意識が異なります。朝から夕方までずっと一緒に園で生活する保育士。プロとして子ども英会話講師としての仕事は難しいでしょうね。

仕事柄、いろいろな幼稚園、保育園に行きますが、たいていの園には「英語」の時間が必ずあります。ネイティブの先生や日本人英会話講師が週に1回やってきて「英語」を教えて帰るというスタイルがほとんどです。私自身のことを考えてみても保育園に教えに行っていますが、もし、「保育士をしなさい」と言われてもできませんね。

幼児教育を学んだ保育士。英語教育を学んだ児童英語教師。まったく別物です。両方を兼ね備えた人材なら重宝されるでしょうね。プリスクールにはそういう人材を雇っていただきたいです。

もし、プリスクールで保育士、英会話スクールで子どもを教える先生を兼任しているネイティブ講師がいたら・・この違う仕事を両方完璧にしている人は本当に稀だと思いますよ。

■関連サイト
All About幼児教育




【Vol.12】小学校に英語専門教員の配置を希望する親たち

コラム

2010年5月27日

■小学校で英語を専門に教える教員ができる?
興味深い結果の記事が出ました。調査によると52.2%の親たちが英語教員を小学校に配置してほしいと願っているようです。この希望とは反対に、文部科学省は担任主導の外国語活動を進めています。来年度(2011)から小学校での英語教育が本格化しますが、「担任の先生が英語を教える」ことになっています。

『教育に関する保護者の意識調査報告書』

担任が外国語活動を指導するのために「英語ノート」が文部科学省から発行されています。最近の教員研修では「英語ノート」をどうやって使って外国語活動に利用するのかという内容が多くみられますね。数年前に文部科学省主催の研修が全国で行われましたが事業仕分けとともに消えてなくなりました。「英語ノート」は向こう2年間は作られるようですが、いずれ無くなってしまいます。代わりに何らかの方法でテキストに代わるものが出てくると思います。

■外国語活動研究校には英語の得意な先生が多い?
学校を運営する側も英語の得意な先生に外国語活動を任せる傾向がありますね。先生たちも楽しんで授業をしてくれます。小学校の先生にはそれぞれ専門教科があり、小学校の先生だけど中学の英語教諭の免許をもっている人もいます。よくあるパターンは中学校の英語の先生が小学校の先生になっているケース。小中連携の英語教育をしている市町によく見られます。

ところが、研究校になって予算もたくさんもらっている期間を過ぎてしまうとこれらの先生は他の学校に異動になり、普通の小学校に戻ります。となると、英語一色で研究してきたことが冊子にまとまるだけで継続していくことが困難な状況になってしまうようです。そこで、現場からも専任の英語教員の配置を望む声が出てきたというわけです。

■必修化されるのは高学年だけ。
つまり、5年生、6年生の担任になる先生は年間35時間の外国語活動を教えなければならない状況になります。おそらく高学年児童を担任する先生は、英語の得意な人、専門科目が英語の人、英語の好きな人が担当すると思われます。また、中学校の英語の先生が小学校で担任をもつことも考えられますね。

いずれにしても担任一人で外国語活動の授業をするのは大変です。ALTとのティームティーチングが多くなるでしょうが、ALTの確保もなかなか難しそうです。地域に住む人材として日本人の英語ボランティア先生もいますが、仕事量や価値の割には微々たる報酬なので続ける人が少ない現状です。

親たちの望む「英語専門教員」とは、英語堪能、教える能力あり、そして小学校教員免許、英語教員免許を持つ人材です。この条件がそろっていれば、しっかり教諭として給料ももらえて働くことができるでしょう。学校側も条件の整っている人材ならば正規教員として雇うことができますね。しかし、こんな人材を簡単には探せないですよ。

■じゃあ、作っちゃえばいい。
タイプ別にどういうことをすればいいのか提案します。親たちの望む「英語専門教員」になるために。

①小学校教員の中でも英語教育に熱心な方々もいます。そんな先生たちは自身の英語力を鍛えながら英語の教え方を学んでいただきたいですね。そして、英語専門教員(もちろん担任をもってもいいですね。)になって教壇に立ちましょう。現職の小学校の先生たちは子どもを教えるプロなので、子どもの心をガッチリつかむ教え方に関しては非常に上手い。日常的に子どもたちと英語の接点を作ってもらうといいなと思います。

②英語ボランティアの先生たちは小学校英語の様々な教え方を学びながら小学校教員免許、英語教員免許を取って現場に立ちましょう。そして、英語専門教員としてしっかり公務員の給料をもらって働きましょう。台湾の話ですが、小学校で英語専門の先生として働いていた方々がクラスを担当したくて小学校の先生になったという事例がいくつもあるそうです。いつか担任をもちたいと思う日が来るかもしれません。

③大学生の人たちは積極的に小学校へ行って学習ボランティアをしましょう。英語学習ボランティアをさせてもらえれば幸運です。若い目で小学校現場を見てほしいですね。全人教育とは何かを知ってほしいと思います。それから採用試験を受けて、まず小学校教員になりましょう。担任をもって数年経験してから英語専門教員に。大学では小学校教員免許、英語教員免許を取得してください。

・・・理想は「英語専門教員」の配置です。しかし、大問題なのは費用ですね。事業仕分けで無駄を省いていますけどお金がないから小学校の英語教育は後回しにされてしまいます。英語ノートも一旦廃止になっていますからね。いつ実現するかわかりません。

■関連サイト
「英語ノートって何?」



【Vol.13】小学校英語の課題はいつ解決するの?

コラム

2010年7月12日

■いつ解決できるの?

いよいよ本格スタートを意識して、今年の夏は全国各地で小学校教員の研修、研修、研修。夏休みには公立小学校の先生たちは外国語活動の研修にかなりの時間を割くことになるでしょう。

一昔前は、学校の先生というと一カ月も夏休みがあっていいなぁ(失礼!)、というイメージでした。しかし今は全くそうではなく非常に忙しい日々のようです。一人の先生のスケジュール表を見せて頂きましたが白いところがない!・・予定がビッシリでした。もちろん夏休み中の研修は外国語活動だけではないですね。

■3つの課題

参加したある研究会で、外国語活動に一生けんめい取り組んでいる小学校校長先生が話していた「3つの課題」について話したいと思います。必修化までのこれまでの流れをしっかり考慮して、現在の課題が出てきています。

課題を3つ書きだすと以下のようになりました。

◎「英語ノート」の活用法について

◎「英語ノート」と学校既存カリキュラムとの融合

◎ 外国語活動の評価と小中連携英語教育

外国語活動は来年度から本格スタートしますから、課題は早く解決してほしいものですが、これって、いつ解決するのでしょう?はっきりした答えがない、または、どんな答えでもよい気がするので、私には永遠に解決しない感じを受けます。がんばって課題を解決しようと努力すればするほど、また次の課題が出てきて永遠に終わらないです。結局、解決なんてできませんよ。今はただやってみるしかない状況なのだと思います。

「英語ノート」には指導マニュアル本も付いているので、マニュアルに沿って指導すれば、“ほぼ間違いない正しい外国語活動の姿”が出来上がります。うまく指導出来た、出来なかったに関わらず、外国語活動の時間を過ごしたということになります。私は「英語ノート」の部分的な活用で十分楽しい外国語活動ができると思っています。仮に「英語ノート」の内容をを隅々までくまなく教えても、外国語活動の目標とする“コミュニケーション能力の育成”に十分であるとは言えません。

■一方、中学校の英語教師たちは・・

先日、中学校の英語の先生をしている友人に会ったときのことです。「小学校の英語って何をどこまでやっているの?」と聞かれました。3時間ほど一緒に夕食を食べながら話していると、彼女がかなり不安を感じていることに気付きました。「今は情報の共有が皆無に等しいわよ。評価だって英語言語面の評価をしないらしいし・・。」「他の先生がたまたま見学に行った小学校ではすごかったって。」「中学校で教えていることを越えちゃっていたらしい。」など次から次へと噂や見聞きしたことを話してくれました。きっと彼女のような中学校の英語教師は全国にたくさんいるでしょう。不安を取り除くにはどんな方法があるのでしょうか。私は、解決策の一つに以前から取り組みもされている“小中一貫英語教育”のスタイルがあるとよいと思いますね。

■とにかく今は小学校教師たちの不安を取り除く

解決には、とにかく「研修、研修」だそうです。県、市、町ごとに研修の機会を多くすることを目標にしているようです。ただでさえ忙しい先生たちなのに、さらに忙しくなりますね。子どもと向き合う時間が少なくなっては本末転倒なので、研修は夏休みなどに集中しています。外国語活動の研修は活動アイディアが中心の楽しいものですので、習ったアイディアを自身のアイディアと融合させてほしいですね。昨年から私も研修講座講師として赴くことが多くなりましたが、講師として期待するのは、先生たちが現場でアイディアを応用して活用してくださることです。時々、現場で使ったらこのような反応があったという報告をもらいます。このようなフィードバックはとてもうれしいですね。

■3つの課題は永遠のテーマでしょう

上記の外国語活動の課題はまとめると、「テキスト教材、カリキュラム、評価」ですね。結局は、どの教科にも当てはまります。子どもの教育においては、この3つは永遠のテーマでしょう。今年の夏休みは学会、研究会、研修会、校内研究会、ついでに免許更新講座(今年で最後)・・・など、かつてないほどの数、回数が全国で行われます。先生たちの夏は忙しいですね。

■関連サイト:

英語教育ニュース記事:小学校英語教育の「なるほど」

英語教育ニュース記事:小学校に英語専門教員を希望する親たち



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  • このコラムについて
      - EKN編集部
      - 丑丸直子
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