【Vol.1】小学校で英語がスタート。小学校外国語活動の時間とは?
コラム
2009年5月25日
コラム
2009年5月25日
■4月から始まっています、小学校外国語活動の時間
夕方、犬の散歩をしていると、近所で遊んでいる子どもたちがうちの犬の名前を呼びながら近寄ってきました。我が家で飼っているのは白い柴犬の女の子。ソフトバンクのCMで有名になった白い北海道犬のお父さんのおかげで、近所の子どもたちに大人気です。ふと、集まってきた5~6人の子どもたち同士の会話に耳を傾けていると、
「犬ってDogって言うんだよ。」
「Bow Wow!」
「Whiteだ!」
子どもたちの会話の中に英語が飛び交っているではありませんか!きっとその日は小学校で英語を習ってきたのでしょう。特に英語の歌は耳に残っているらしく、習った歌を女の子二人で歌っていました。私はその姿を見ながら、「英語が子どもたちの身近に存在するようになったのね。」と感慨深く実感。
これは今年4月から公立小学校で「外国語活動」が始まったのが大きな要因でしょう。小学校における英語教育には賛否両論があり学識者の間でも議論され続けておりますが、徐々に準備も整ってようやく実施になりました。始まったのは、小学校5年生と6年生を対象とする外国語活動です。
■構想から実施まで18年もかかりました
1997年に出版された『小学校に英語がやってきた!』(注1)によると、1991年12月に小学校への英語導入の検討が提言され、1992年5月、大阪の2小学校での研究がスタートしました。そして、まだ記憶に新しい「総合的な学習の時間」が2002年から始まったのと同時に学校の裁量によってその時間内に「英語活動」という名称で実施されてきました。それから8年目にして、ついに今年4月から「外国語活動」という正式名称になって全国で授業が実践されています。実に18年。
本当に時間がかかっていますね。慎重に慎重を重ねて実施に至ったわけですが、正式に実施されるのはさらに2年後の2011年4月からなのです。今年から2年間は外国語活動に取り組む学校、取り組まない学校、取り組んでも年間10時間など、未だはっきりしていません。
小学校の先生たちに尋ねてみますと、4月にアルファベットの歌を歌った、かるたゲームをした、という感じです。子どもたちの実態、また、様子を見ながら徐々に取り組む必要がありますので、一気に進められないのが実情でしょう。
■補助教材の英語ノートとは?
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| 英語ノート1&2 | |
高学年児童を対象にする外国語活動は年間35時間。活動を補助する目的として文部科学省作成の「英語ノート」と呼ばれる補助教材も児童一人一人に配布されています。全頁カラー刷りで、子どもの目を引くかわいいイラストの教材に仕上がっています。国際理解教育を大いに取り入れ、英語を使って表現することで、コミュニケーション能力を育成する内容がメインとなっています。また、6年生用の「英語ノート2」には英語の文字もふんだんに使われていますので、中学校の英語教育のプロローグとしても利用できるように仕組まれています。
誰かが言っていましたが、「日本の教育の特徴は、北から南まで全国すべて同じ内容で統一されていること」だそうです。全国の公立小学校で使われる英語ノートで学習すると、全国の小学生が中学校に入学する以前に同じ内容を共有することになります。これが良いことかどうか判断しかねるところですが・・。
小学校における英語教育は、英語ノートをスタンダードと考えがちですが、決してそうではありません。英語ノートはあくまでも参考資料、補助教材の位置付けとなります。教室では様々な外国語活動が期待されています。教師の力量しだいでは英語ノートは必要ない場合も出てくる可能性がありますね。もし私が小学校教師で6年生を担任することになったら、英語ノートの内容は50%ほど使うでしょう。あとの50%は子どもの実態に合わせて他教科の内容も取り入れながら総合的な学習の時間に含めてしまうと思います。
■親として気になること
3月、一人のお母さんが「小学校で英語を教えるようになれば、塾に英語を習いに行かなくてもいいよね?」と、私に尋ねてきました。彼女は小学校6年生の娘をもつ親です。実際、塾に行かなければ家計も助かりますし、子どもが自由に遊ぶ時間も増えます。彼女の考えることはもっともなことです。ところが、英語を教えている小学校の周囲の英語教室や塾では生徒が増えている現象も起こっています。これはいったいどういうことでしょうか。次回のコラムでは子どもの英語教育を学校教育だけの視点からではなく、民間の英語教育まで広げて語りたいと思います。
最後までお読みくださりありがとうございました。これから毎月第4週に新しい記事をアップしていきます。どうぞ最新の子ども英語教育事情をお楽しみくださいね。
<参考文献>
小川隆夫 (2006) 『先生、英語やろうよ!』 松香フォニックス研究所.
清水万里子 (2003) 『子供のための英語』 金星堂.
高橋美由紀 編・著(2008) 『これからの小学校英語教育の構想』 アプリコット.
松川禮子 (1997) 『小学校に英語がやってきた!』 アプリコット.
■関連サイト
小学生が学校で使う英語ノートって何?
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