No.10 人はなぜ変われないのか?
コラム
2010年05月18日
コラム
2010年05月18日
前回、「いま世界で何が起こっているのか」という記事で書きましたが、現在世界では劇的な変化が起きています。しかし、外部環境は大きく変化しているのに人間はなかなか変われません。何故か。"Thinkertoys: a handbook of creative-thinking techniques (Michael Michalko著)"に「なるほど!」と思う、ストーリーを発見。これはある科学者が行った5匹の猿を使った実験です。
5匹の猿をある檻に閉じ込め、天井にバナナを吊るすとともに、その下に階段を設置します。するとすぐに一匹の猿がバナナに気づき、階段に向かって走り出す。しかし階段を上ろうとした瞬間に科学者はその猿に氷水を浴びせる。非情にもバナナを取ろうとした猿のみならず、残りの猿達にも氷水を浴びせます。
当然別の猿も挑戦します。しかし同様にその猿も仲間達も氷水をかけられる。何度かこれが繰り返されるうちに猿たちはバナナを諦めます。実験はここから面白くなります。
科学者はまず猿を一匹入れ替えます。新入部員は当然バナナに向かって走り出します。すると、(興味深いことに)他の四匹の猿が新しい仲間を捕まえ、殴りかかります。新入部員は氷水については全く知りませんが、メッセージだけはしっかりと享受します。「バナナを取りに階段は上ってはならぬ」と。
科学者はその後2匹目の猿を入れ替えます。すると二匹目の新しい猿も同じようにバナナに向かって走り出し、仲間に殴られ、同じようにメッセージを享受する。科学者は同様に三匹目、四匹目と入れ替え、ついに唯一氷水を浴びた経験を持つ最後の猿を入れ替えます。これで氷水を実際に浴びた、バナナを取りにいき直接罰せられた猿は全ていなくなりました。しかし、最後に入れ替わった5匹目の猿が同じようにバナナを取りに階段を上ろうとした途端、残りの四匹の猿達は新入りを捕まえ、同じように殴り、やめさせたそうです。
"A Whack on the Side of the Head"の著者でCreativity研究で有名なRoger von Oech氏によると、外部環境が変化しても人間は変われないか要因として
1. 我々は何かその時の世の中の流れ、常識に応じてルールを作る
2. そしてそのルールを守る
3. 時がたち、当初ルールを作った前提条件が変わっていく
4. しかしルールだけが残り、我々はそれを守り続ける
世界ではいま大きなパラダイムシフトが起きています。自分は実験の猿になっていないか。教育に携わるものとして、常に外部環境の変化にアンテナを張り、変化に応じて自分を変えていかないと、結果として社会に大きな迷惑をかけるのではないかと、恐怖すら感じてしまいます。
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同質の人間の間では Innovationは生まれないというのが通説の様です。
http://dhbr.hontsuna.net/article/2448074.html
”やる気のある人を伸ばす仕組みを失ったことが日本企業の競争力を下げたともいえます。”
Active Inertiaとか 成功体験とか、Innovator's Dillemmaとか色々表現はありますが、 やはり 同質の人間を育てる現在の教育制度から変える必要があります。
http://knol.google.com/k/overhauling-japanese-education-system#
コメントありがとうございます。
”やる気のある人を伸ばす仕組みを失ったことが日本企業の競争力を下げたともいえます。”
仰るとおりだと思います。その上に、今までは向かうべき方向性が見えていたのが、今は何が売れるか分からなくなり、どこに向かって走るべきか分からない不確実な世界に入ってきています。
先日大手コンサルティング会社に勤めるインド人と話したのですが、日本人の長所は「ゴールがあるとすごい勢いでそれに向かって努力する。でもゴールを自分自身で作るのは下手。」といっていたのが非常に印象に残っています。
英エイコノミスト誌によると今後世界成長の7割が新興国で行われるとのこと。億単位で出現する新規消費者層。多様化するニーズをいかに素早く、正確に捉え、それを商品・サービスに結び付けていくか。新興国相手のビジネスの新規アイディアを日本人同士で日本語で出し合っても意味がない。世界中の人材と英語で行うDiscussionが出来なければ話になりません。
英会話とは全く違う英語で行うDiscussion。いまだ主流が英語が主役であること自体ぞっと感じてしまいます。