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語彙習得理論を“現場目線”で活かす!

実際に中学生・高校生の指導にあたってきた教師が、中学・高校現場目線で、語彙習得理論に基づく効果の高い語彙指導・語彙活動のあり方を探る。

日本人高校生の語彙学習ストラテジーと効果的語彙学習法 ~その2~

コラム

2010年11月09日

 前回のコラムでは、高校一年生104名の語彙学習ストラテジー使用の調査結果に基づき、

(1)受け身の学習が多いこと、
(2)「何回も書いて覚える」学習ストラテジーが非常に多いこと、
(3)また語彙学習は一人でやるものという意識が強いこと

などを明らかにしました。

 今回のコラムでは、その結果を受けて、どういう指導をすれば、高校生がもっと自主的かつ効果的に語彙を学習出来るかについて書きたいと思います。


■受け身学習という問題について。

 学校で単語帳を持たせ定期的に単語テストを実施するのは、もう既に多くの学校でなされていると思います。
鶏と卵の関係のように、生徒が単語の学習を自主的にしないから、学校で単語テストをするのか、学校で単語テストをするから、生徒が自主的に単語を勉強しなくなるのかは難しいところでしょう。

 学校において、単語テストをやめるのは現実的とは言えませんので、それ以外の部分で生徒が自主的に単語を学習する機会を作るとよいと思います。
 例えば、自分の身のまわりのことや、趣味のことや、部活のことなどについてのワードマップを作らせたり、洋楽が好きな生徒なら、好きな歌詞の単語を集めさせたり、といったことです。

 一週間にいくつ、などのような指定はしません。期限内にいくつ、という指定もしません。簡単に言うと、生徒が自主的単語学習をはじめるきっかけ作りとフィードバックをするのが、先生の役割になります。
 このようなやり方をストラテジートレーニングと呼んでいます。


■「何回も書いて覚える」のような処理の浅い、忘れやすい語彙学習ストラテジー使用についての代案

 多くの場合、生徒は「何回も書いて覚える」ストラテジーしか知らないことがほとんどです。なので、もう少し深いストラテジーをすることで、ある程度の改善が見込まれます。

 例えば、何回も書いて覚えるよりは、自分で「単語ノート」を作成し、日本語を見て英語が言えるか、書けるか、またはその逆は大丈夫か、などのリコールプロセスは、単純ですが、「何回も書いて覚える」よりはずっと深い処理になります。

 加えて「単語ノート」に絵を書いてみる(イメージ法)、身近な例文を付け加える(自己関与効果)など、その単語に関する自分の好きな情報を付け加えさせるのも効果的です。


■語彙は一人で学習するものという思い込みについて

 単語学習もペアやグループでやるほうが記憶を促進する場合が多いことから
(学習者の好みの学習スタイルにもよりますが)、
英文の中の未知語の推測をペアで行う、お互いの単語ノートを交換し、友達同士でクイズを出しあう、などのことが出来るように教師側がサポートするとよいでしょう。


 まとめとして、いえることは、生徒は語彙学習のさまざまな方法を単純に知らないことがほとんどなので、教員が自分の生徒に見合う語彙学習ストラテジーを提示してあげることによって、生徒の自律的語彙学習を促進することが可能でしょう。



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コメント

>生徒は語彙学習のさまざまな方法を単純に知らないことがほとんどなので

そうですね。

生徒がノートいっぱいに同じ単語を何度も書いて練習した来たことがあって、びっくりして、(本来なら自主的に書いて練習してきたことを褒めるべきだったかもしれませんが)

「そんな、同じ単語をそんなに書くのではなく」との私の反応に、生徒が「じゃ~、どうすればいいの?」と聞いたことがありました。

その時に、遅ればせながら、自分自身がきちんと練習法を提示してなかったことに気が付きました。

夏のワークショップで、対になる単語の絵を描く方法(イメージ法)とても有効だと思いました。

単純に書いて憶えさせるやり方は現場の先生の間では、それがベストであるように思っている先生もいるみたいで、進学校でもプリント10枚に延々と単語を書かせることがあるようです。
処理の深さ、大事ですよね。

なるほど~!!!納得のアイディアです。そしてこれは楽しそうですね!!!

ペアワークなど、先生のアイディアを使ってやってみています。

単語帳を持たせた以上(赴任前に既に生徒に持たせていたものですが、使っていなかった)使うべしというのが私の思いなので(お金払っているし、)おっしゃる通り毎授業CDを聴きながら一通りやって、定期テスト(毎月末)をしています。
でも、単語は授業と連動させないと、だめだと、まさに実感。
単語帳って、本当に必要なんですかね。
単語帳を作らせる方向を来年は考えようと思います!

ワードマップというのは、とてもいいですね。
好きなもの・好きな事なら子どもたちもどんどん発想が広がって、言葉も広がっていくように思います。

今まで自分自身が、いかに平坦な勉強の仕方しかしてこなかったんだということを感じます。

たくさんのアイデア、ありがとうございました。


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