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語彙習得理論を“現場目線”で活かす!

実際に中学生・高校生の指導にあたってきた教師が、中学・高校現場目線で、語彙習得理論に基づく効果の高い語彙指導・語彙活動のあり方を探る。

文章中で単語をしっかり覚えさせよう!

コラム

2010年8月05日

以前のコラムで、語彙習得には、以下の2つの方法があると書きました。

(1)単語のみを取りだして覚える方法
(2)文章中で単語も覚える方法

(1)は学習者が単語のみを覚えることに集中できるという長所がありますが、この方法は比較的忘れやすく、文章中でのその単語の使い方が学べないという短所があります。

(2)はその逆で、学習者が単語を覚えることにのみ集中出来ないという短所がありますが、文章中でのその単語の使い方が分かるという長所があります。

今までのコラムではどちらかというと(1)の習得方法に触れることが多かったので、このコラムでは(2)の習得方法について書いてみたいと思います。


■音読しながら語彙習得を目指す活動

・虫くい音読テスト
教科書の100語程度の文章を選び、覚えさせたい単語を(   )にして、(   )を埋めながら、1分以内で読めるように練習してきなさいと指示します。

実際のテストでは、授業1時間を使い、廊下に生徒を一人ずつ呼んで、「虫食い音読」が1分以内にできるかどうか、テストします。

テスト日には、休み時間に、生徒が2,3人でその文章を暗誦しながら廊下を歩いている姿を見つけたりすると、うれしいものです。

このテストの後、(   )にした単語を、それだけで単語テストを行うと定着も倍増します。つまり、(2)の指導法のあと、(1)の指導法で、語彙習得をさらに促進するわけです。

■筆写しながら語彙習得を目指す活動

・コピーイング4.3.2
どんなクラスでも、熱心に、静かに取り組んでくれるのは「コピーイング4・3・2」という筆写活動です。

教科書本文を最初は4分で書き写し、2回目は3分で書き写し、3回目は2分で書き写し、最後は日本語訳のみを見て、出来るだけ本文を復元する、というものです。

この活動は、誰でも参加でき、文章全体とともに、単語も覚えることが可能です。書き写す時間や文章の長さは、生徒によって調整します。

この活動のあとも、覚えさせたい語を取り出して単語テストを行うと、定着が促進されます。つまり、(2)の指導を(1)で補います。

■dictaion しながら、語彙習得を目指す活動

・delayed dicatation
先生が、教科書で習った文を一文ずつ読み上げます。最初の一文を読んだら、生徒はその後すぐに、dictaion するのではなく、先生が15秒数えて、「はい、書いて」と言ったらdictaion をします。

15秒間、生徒は英文を頭の中でホールドしておかなければなりません。このことにより、より一層の英文の定着(新出語の定着を含む)が図れます。

この活動のあとも、覚えさせたい語を取り出して単語テストを行うと、定着が促進されます。やはり、(2)の指導を(1)で補います。


音読、筆写、dictaion しながら、語彙習得も促すことができれば、語彙活動だけに時間を割かれる、ということもないので、一石二鳥ではないでしょうか?

 
「音読・筆写指導でしっかり語彙定着」は、今年のELEC同友会語彙指導研究部会のテーマでもあり、10月31日の全国大会で、発表される予定です。

ご期待ください。



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コメント

虫食い音読は、教科書が1ページ終わるたびにさせていましたが、目的はあくまで、「本文を覚える」ことでした。でも、すべての生徒にとってそれをするのは無理。そこで、先生が提案なさっている、「覚えさせたい単語を虫食いにする」というのが生きてくるように思いました。

また、delayed dictationは、先生ならではの「ホールド」が生かされている活動です。dictationをするとき、たいていはすぐ書かせていました。しかし、すぐに出力させず、ためておくことで、記憶の定着も図れるように思います。

早速夏休み明けに実践してみようと思います。
いつもすぐに役立つアイディアをありがとうございます。

ホールドしてディクテーション、定着度に期待出来そうですね。
負荷も程良くかかると思います。
ELECの大会、楽しみにしています。

今回の内容はWritingの基礎的な指導にもとても役に立つ方法の提示をしていただきました。わたしもさっそく取り入れます。本文を写す時間を少しずつ短くしていく方法など中学生がとても興味をもって取り組みそうな方法です。ホールドして書かせる方法も取り入れていきます。
毎回、すぐに授業に使えるアイディアを頂き、感謝しています。

英語学習において、最も大切な語彙指導、これまでインプットは様々の方法で行ってきましたし、その定着のためのアクティビティーもやってきたつもりでしたが、最終確認みたいなことが抜けていて、まだまだ更に違う角度からの語彙力の強化の方法があることを知り、またその指導の必要性、重要性を感じております。

(1)単語のみを取りだして覚える方法
その方法に関して、私も数種類の方法でインプットしていますが、初歩の基本的な名詞などまでは有効だと思いますが、それ以上になると、確かに、その単語の使い方が学べない。それから、語彙数が増えてくると、その単語の表す意味も様々に取れることから意味が微妙で、はっきりコレとは言えない場合があります。

それに対して、
(2)文章中で単語も覚える方法
も、クラス内で行っていますが、
この方法は、生徒が、「あ、この単語、あそこで出てきた」と、認識できる場合がよくあり、そういう風に、単語を識別するようになると、その生徒の読む力がグンとあがるのが分かりますし、本人も自信を持つようになります。復習に良い方法だと思いました。

今回も興味深く読ませていただきました。

コピーイング4・3・2の活動は、生徒が熱心に取り組んでくれそうでとても良い活動だと思いました。

またdelayed dictationの活動は、以前のコラムで紹介されていたホールドの考え方を取り入れていて、とても良い活動だと思います。

(1)単語のみを取りだして覚える方法と(2)文章中で単語も覚える方法を単独で指導する方法はいままでも知っていましたが、組み合わせる方法を今回のコラムで学ぶことができ、良かったです。ありがとうございます。


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