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語彙習得理論を“現場目線”で活かす!

実際に中学生・高校生の指導にあたってきた教師が、中学・高校現場目線で、語彙習得理論に基づく効果の高い語彙指導・語彙活動のあり方を探る。

中学入門期、高校再入門期の音声指導―フォニックスとライミング

コラム

2010年6月25日

読めない単語は覚えにくいといわれています。ローマ字読みで覚えてしまう生徒もいますが、それではその単語を発話することはできません。ですので、単語の読み方を教えることは非常に重要になってきます。
 
私は単語が読めない生徒には、フォニックスを教えています。フォニックスとは、"つづりと発音の関係性"のことです。たとえば、「ea」というつづりは「イー」と発音することが多い、などのルールです。
 
tea の読み方がわかれば、sea, pea, beat, heat, read などが読みやすくなるでしょうし、つづりも覚えやすくなるはずです。

 ただし、授業時間の限られた、中学、高校では、すべてのフォニックスを教えるのは時間的に無理があるように思われます。ですので、代表的なフォニックスだけを取り出し、一時間(50分)の授業の最初の5分程度を割いて、少しずつ教えるのがよいと思われます。

 押さえておくべき代表的な(頻度の高い)フォニックスは以下のとおりです。

■母音一文字    "a", "i" "u", "e","o" の読み方

■母音二文字以上  "ee", "ea", "oo", "ow","air", "ear" の読み方

■子音字      "sh", "ch", "ph", "th", "ck", の読み方

 

この記事では、母音一文字に関して、読み方の練習方法の一例を取り上げてみます。

■ライミングでタイミング 
 「ライミング」という手法があります。ライムする単語を以下のように、先生が用意しておきます。

<例>
"a"
パターン1 bat, cat, fat, hat, mat, pat, rat, sat
パターン2  bake, cake, lake, make, take, wake
パターン3  ball, call, fall, hall, mall, tall, wall

"i"
パターン1 bit, fit, hit, pit, sit, wit
パターン2 bike, hike, like, Mike
     
まず、先生が、読み方のルールを教えたあと、「bat, cat, fat, hat, mat, pat, rat, sat」
とテンポよく、読みの練習をします。

 その後は、ペアを組み、ペアのAさんが2分で「bat, cat, fat, hat, mat, pat, rat, sat」が何回繰り返せたか、「速読み」にチャレンジします。Bさんは、Aさんが2分で何回よめたかを数えて記録します。AさんとBさんの役割を変えて同じことをします。

「bake, cake, lake, make, take, wake」「ball, call, fall, hall, mall, tall, wall」「bit, fit, hit, pit, sit, wit」「bike, hike, like, Mike」についても、同じような指導をします。中1の入門期のみならず、高校生でも、このような「速読み」は楽しんでやってくれます。


 
もし時間があるようなら、以下のような問題も行うとよいと思います。

■類推で単語を読む
まず、フォニックスのルールから、知らない単語の読み方を類推させてみます。

・次の単語の読み方を考えて、読んでみよう。
1 bad 2 late 3 talk 4 big 5 bite

■類推で単語を書く
つぎは、逆です。すなわち、先生が発音した単語のつづりを予測して書かせます。

・先生が発音する英単語を聞いて、推測で単語のつづりを書いてみよう。

1 (sad) 2 ( hate) 3 (walk) 4 (hip) 5 (kite)


この記事では、[a]と[i] しか、とりあげられませんでしたが、押さえておくべきフィニックスに関して、このような指導を行うと、生徒にとって、単語が「読める!書ける!」という達成感をもってくれます。

ぜひ、お試しください。



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コメント

文字と音声との関係をわかり易く、システマティックに導入し、自分の力で単語を読み、音を聞き、自分の力でスペルを推測することのできる自立を育む学習方法=フォニックス指導法は生徒に大きな自信を与えていることは紛れもない事実です。幸い私の学校では検定教科書に入る前に徹底したフォニックス指導を行っています。生徒のアンケートから「初見の単語や英文を読むことができ、英文も苦ではなくなった。」「ルールを見つけることが楽しい」と多くの生徒が書いていました。
中学1年生には音声記号を教えると混乱して、正確な単語をかえって書けなくなる状況が見え、何か良い方法はないかと模索していた時に、出会ったのがフォニックス指導でした。自分自身もこの指導方法を学んだ時は、目から鱗でした。ネイティブの先生の中には「なぜ、日本の英語教育にフォニックスを取り入れないのか不思議だ」と言われる方もいらっしゃいます。
公立の中学校では確かに時間的余裕がなく、フォニックスのみを教えることはできないと思いますが、全部を教える必要もなく、岡田先生が言われているようにファミリーワードをリストアップするなど教師の工夫次第で定着を図ることはできると思います。たったの5分、されど5分だと感じます。教科書に新出単語として出てきたものを一つピックアップしてファミリーワードを沢山読む方法もあると思います。
また、高校生などある程度の語彙力がある年齢の生徒に対しても、フォニクスは有効的なものだと思います。理解を深め、自分でルールの単語をリストアップすることができるかもしれません。
今回の記事はまったく同感、支持したい内容です。

確かに授業で全部フォニックスをカバーするのは大変ですね。
ライミングさせれば、音をまとまりとしてとらえることも出来そうですし、発音から推測することもトレーニング出来そうです。
この時期、センター試験の第1問対策(発音)で頭を悩ませている生徒がとても多いです。
中学から体系的に発音指導があればいいのになと思います。

現代英語の綴りと音の間にはズレがあるので、フォニックスを用いての音声指導は、特に中学入門期には有効だと思います。
昨年度東大志望の受験生を個別指導しましたが(英語は約95%の得点率)、発音・アクセントが減点要因になっていました。1時間授業の最初の5分を音声指導にあてることの意味は大きいと思います。

 学習者のうちでも特に初期の学習者にとって、英語学習で未知の単語を発音し、覚えるということはずいぶんと労力がかかるものです。その労力のために学習に挫折してしまう生徒も少なからずいるというのは、英語学習の指導者ならばご存知でしょう。

 フォニックスはそうした労力を軽減するための一方策としては役に立つものです。単語を音声に変換して発音できる能力が身につくのであれば、学習者は自ら単語を見て発音できるという確率が比較的向上するために、ひとまず単語を音読できるという自信を持つことができます。このことによって、単語学習のハードルを下げることが可能となり、ひいては英語学習が促進されるのではないかと期待できます。

 今回のアクティヴィティーでは、まずはフォニックスのルールを理解することを起点として、そのルールを応用できるという類推力を養うことが肝要なのだということを改めて考えさせられました。仮に、生徒がフォニックスに習熟してきた場合には、今度は例外的な発音をもった単語を1~3個程度適宜紹介すると、変化に富んで刺激があり、ルールとその例外とを比較することでルールの再確認と例外の記憶とにつながって学習の効率化が図れる可能性があります。

 フォニックスが英語学習に一定の効果があることは間違いないのですが、フォニックスの指導で考慮したい点として、フォニックス自体を完全に覚えるには時として時間がかかることが挙げられます。その他、学習における心理面での影響を考慮すると、フォニックス自体の学習に生徒が労力を割きすぎしまっては疲弊してしまいかねないことやフォニックスのような「科学的」アプローチがなんとなく苦手な生徒がいることも挙げられます。総合的な判断としては、短時間でおこなう活動という点がキーとなったフォニックスのルール説明とその応用といったようなこの方法は、指導する立場からも生徒に掛かる心理的負担や労力からも簡潔にして非常に効果的だろうと思いました。

 なお余談ですが、指導にあたって冗談交じりにちょっと耳慣れない単語を含めると、1~2文字つづりが変わるとこんなにも別の意味になるのかとの驚きがあって新鮮味が増します。ただし、ご存知の方も多くいらっしゃると思いますが、特に単音節の場合によっては教育上好ましくないと思われる俗語も中にはあるので(例えば、joke, woke, broke, choke, evoke, invoke, provoke, revoke, smoke, spoke, strokeあたりはよいとしても、boke, coke, hoke, moke, poke, toke, blokeなどになるといかがでしょう)、生徒の自己学習を妨げることはできませんが、指導にあたっては注意が必要かもしれません。

「読めない単語は覚えにくいといわれている」というのは、本当だと思います。読めないということは、発音できないということであり、ヒアリングもできないことになります。とかく、「英語はスペル通りに読まないので、難しい」といわれますが、フォニックス指導法により、体系化したルールを提示すれば、生徒は間違いなく食いついてくるだろうし、理解できることの喜びを感じるはずだと思います。また、岡田先生の5分間での指導方法も、ペアワークを利用した、主体的な活動となっており、非常に効果的だと思います。ぜひ、活用させていただきます。

私も中学入門期、高校再入門期の指導において、フォニックスは有効だと常々感じています。

ペアワークでの速読みは生徒が熱中しそうな活動でとてもいいですね。また、類推で単語を読んだり書いたりする活動は実際にフォニックスのルールが定着したかどうか確認するためにとても有効だと思います。ぜひ、今後の授業で活用させていただきたいと思います。


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