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国際ビジネス英語エッセイ

世界を舞台にビジネスの世界で活躍してきた筆者が、自らの体験を交えて知的に綴る、スペシャルエッセイ

【第46回】
番外編 日中国交回復40周年

2012年09月26日

写真:使節団歓迎会。中曽根康弘通産大臣(科学技術庁長官兼務)や中日友好協会の孫平化氏、田川誠一衆議員らの姿が見える。(西条正「二つの祖国をもつ私」:中公新書p65)
写真:使節団歓迎会。中曽根康弘通産大臣(科学技術庁長官兼務)や中日友好協会の孫平化氏、田川誠一衆議員らの姿が見える。(西条正「二つの祖国をもつ私」:中公新書p65)
1972年9月29日。この日は忘れられない。
商社マンになって初めて仕事で「外国人」と接した日だ。
相手は中国海洋使節団。その一か月に亘る来日ミッションのアテンドだ。
実に、40年前のこの日こそ、田中角栄(当時)首相が訪中、北京にて周恩来(当時)首相と共同声明に調印、日中国交回復がなされた瞬間である。

つまり、国交回復の第一弾。この中国ミッションを、前年に設立された海洋科学技術センター横須賀の探査船に案内し、新潟冲にある海上掘削機白竜丸を見学した。
そして、10月4日、晴海で開催の第二回「国際海洋会議・展示会」(田川誠一組織委員長)を視察した。そこでは国連や27か国が参加、展示をおこない、米英仏勢の海洋研究の一人者が列席、講演。1970年代を海洋開発の10年と位置付けている。

それに先立つ1961年1月20日、第35代米国大統領、JFケネディーは「国が何をしてくれるかではなく、国に何ができるか」としめくられた有名な演説就任演説で、(宇宙、病疫克服、芸術・ビジネス促進とならび)Let us tap the Oceanと海洋開発を掲げた。
その主語はBoth sides, つまり宿敵ソ連を中心とする東側陣営と「共に」ということだった。

他方、「地球は青かった」という有名な言葉は、ソ連の人類最初の宇宙飛行士Yuri Gagarinガガーリンの発したことばで、原語はロシア語だったろうが、New York TimesがThe earth is bluishと伝えた (1961年4月13日号)。つまり、地球の表面の70%は海であり、陸地は30%ということの象徴だ。

こういう前段階があって、東西冷戦の中、地球規模で「海洋開発」「海洋資源」の重要さが認識されはじめ、各国、威信をかけての競争が始まっていた。

又、1972年2月21日、アメリカのニクソン大統領が中国を訪問したわけで、
海洋展には米国のミッションも参加、「国際政治駆け引き」の場でもあった。
駆けだし商社マンは、米中・日中接触という意義ある場に立ち会ったということだ。

もっとも、聖書の言葉を借りて白状すると、You will understand later(ヨハネ伝13:7)。人生、その時は気が付かなかったが、後に考えると重大なことだったのだ、という例ではある。

そして、この国交回復40周年を記念すべき今この時に、中国各地で反日デモが頻発してるとのこと。それも尖閣諸島をめぐる海洋開発の可能性が発端というから、不思議な巡り合わせと感じる。

上述、日中国交回復調印時における周恩来首相のことばは
飲水思源(水を飲む時、井戸を掘った人のことを忘れない)であったと聞く。
Remember who dug well for you(拙訳)。
(自分自身そうあろうといつも思うし、タフなビジネス相手説得に使うと効果がある)

日中関係でシバシバ使われる戦略的互恵関係。政府の公式文書ではMutually Beneficial Relationship Based on Common Strategic Interestsとあり、その実現が期待される。

因みに言えば、2005年4月の反日デモの真っ最中に上海(生まれ故郷)を訪問した筆者の視点からすると、日本での、ことに視覚に訴える報道・解説には時に誇張もあるのではないか。Make a mountain out of a molehill (針小棒大)。
我々市民の側にこそ冷静さが求められる。
参照:「反日」が過剰報道される上海を訪問

一か月間寝食を共にした人民服姿の中国ミッション10人を羽田に送った際、
「生涯、もう二度と会うことはないのだろう」と感情が高ぶり、一人ひとりと
ハグしあったあの感触。忘れられない友好の思いだ。

関連リンク:
日本能率協会 1972年 「国際海洋会議・展示会」



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コメント

中国とは長い長い付き合いが必要。今日中国交回復時活躍したような人材がいないのは、政府が人材教育に本腰を入れていないからではないか。


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