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国際ビジネス英語エッセイ

世界を舞台にビジネスの世界で活躍してきた筆者が、自らの体験を交えて知的に綴る、スペシャルエッセイ

【第16回】
「How Much」と呼んでくれ

2010年01月06日

ビジネス上も含めて、見知らぬ初対面の人と会うときに名前をなのり、どう自己紹介をするかはとても大事である。

Call me Ishmael.  「イシュマエルと呼んでくれ」
ハーマン・メルビルの長編小説、「白鯨」Moby-Dick (1851)のまさに冒頭の語り手のこのことば。何でもないこの部分だけで翻訳・論文が多々あるという。
イシュマエルとは旧約聖書の創世記、最初の預言者アブラハムの長男で、妻サラの奴隷ハガルが生んだ子であり、後に母子で荒野に追われた強烈な人生遍歴の持ち主である。
このような宗教上の所以を知ると、「白鯨」を追いかける片足の船長エイハブ( Ahabイスラエル王)の執念の物語を暗示と理解できる。何という凄みだ!

米大統領がI am Ford, not Lincoln.と言ったとのことだが本当とすれば面白い。
筆者のインド人パートナーはBalasubramanian氏。日本人を前にスピーチをすることになった。あまりに長いので知恵をつけた。「Call me Balaバラ、(一呼吸)not バラバラ、(一呼吸)It's a rose.(薔薇)」。これでまず笑いをとって、この強面の男の難しい話は大好評を得たのであった。

用法は若干違うが、壁に囲まれたベルリンを訪れたケネディー大統領の1963年6月26日の演説にあるIch bin ein Berliner. 「私はベルリンっ子だ(と言うのは誇らしい)」はベルリン市民を勇気付けた。

さて、次は名刺。最近はその利便性から世界中のビジネスマンの間でもポピュラーになり、ことに日本人との挨拶の時は「必ず両手を添えて、(お辞儀をしながら)渡すように」とどうもマニュアルに書いてあるらしい。

筆者は名刺(Card)に一工夫をして、緑(Green)の地のものを使っている。
そして、名刺を渡すときにひとことThis is my Green Card.とやると、相手(米国人)はニヤリとして、必ずこちらのこと覚えてくれる。

Green Cardとはつまり、米国の外国人永住権及びその資格証明書(永住者カード、Form I-551)の俗称。当初、証明書が緑色だったことからこの名がある(現在の登録証はベージュ)。

日本人のPRマンがその名刺(の裏)が赤や黄色、緑になっているのを持っていた。聞いて見ると新築ビルに引越し時、全社でCorporate Identityを変えたよし。
「それなら、名刺を渡すときにThis is my Red Card.とかThis is my Yellow Card.とやったらいいじゃないか。相手は確実に覚えてくれる」と言った。
天下の広告(PR)会社のことゆえ、そのことを意識して採用したのではないかとも思ったがそうではないらしい。専門家相手にちょっとしたPRのコツを教えてあげることになり、悦に入ったものである。

かくいう筆者は初対面の挨拶の時にはGreen Cardを相手に渡しつつ、こう名乗る。
「My name is Hamaji. Call me How Much!」(ハマヂ→ハウマッチ)
都合のよいことに、イスラム圏ではCall me HAMADI、とこれまたポピュラーなハマディだと名乗ると相手はかならず覚えてくれる。
つまり、寅さんならぬ「お控えなすって」という「名乗り」である。
(映画の翻訳ではHow Do you do?とあったらしい)
「手前、姓は浜地、名は道雄。人呼んでHow Much」。

読者諸氏もぜひ、「名乗り」「名刺」に何か工夫をされては如何だろう。
相手はかならずそのJokeを受け入れ、商売うまくいくこと間違いなしだ。

(社)日本在外企業協会 「グローバル経営」より転載・加筆

■ 関連サイト
・スターバックスコーヒーとジョン万次郎の意外な関係



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コメント

これは面白い大ヒント!

私まさに、レッドカード保持者でございます!裏面がお店のイメージをアピールすべくイタリアンレッドに白ぬき文字会っていきなり名刺をお辞儀、両手添えの慣習が形式的で好きではなかったですが、この形式的な場面こそ、”つかみ”の使えたのですね!これからは、サッカーの審判のよう”レッドカードを差し上げます!マツカワです!”
なんてやってみようかしら。


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