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国際ビジネス英語エッセイ

世界を舞台にビジネスの世界で活躍してきた筆者が、自らの体験を交えて知的に綴る、スペシャルエッセイ

【第9回】
Credit(信用)はMoney Matter(金次第)

2009年06月01日

日米のビジネスギャップを考えるときに、すぐに思うキーワードがCreditである。  大学における「単位」はCredit。流動意識の高いアメリカ人は、大学を途中で変えることも珍しくなく、Creditの互換性が問われる。

自由の国アメリカでは大学はいとも簡単に設立できる。インターネット時代とあってDegree/Diploma Mill(学位製造販売)、つまり社会で通用しない学位を発行・販売する商法が日本にも進出してきている。このあたりは文部省という「お上」に守られてきた日本では考えられないことで、危険きわまりない。

日常生活で欠かせないのはCredit Card。住民票、戸籍がないため、SSN(社会保障番号)と並んで本人確認の手段となっている。買い物、レンタカー、ホテル予約などこのプラスチック・マネーがあらゆる金銭周りの出来事に必要となる。

Creditを辞書で引くともちろん「信用」でありすでに日本語化してるが、ちょっと視点を変えてみると、実は(相手を)信用してないから発生する仕組みであるという皮肉な見方ができる。日本に以前はあった「掛け売り」文化がなくなったように。

こう考えると、国際取引に従事する者が最初に学ぶ用語、信用状「L/C =Letter of Credit」とは不思議なネーミングである。売り手が商品を出荷したとして、海外の買い手が代金を支払うかどうか信用できない。つまり、「信用できないから信用状」を要求する。銀行から「信用をカネで買う」というシステムである。明るく陽気で気さくなアメリカ人だが、カネに絡むこと(Money Matter)になると途端に厳格になる。異文化、異民族、異宗教すべてが違う人間間の取引には不可欠かつ、当然のことなのだろう。

筆者にとっては、このCreditにまつわる悲痛な経験が「日米ギャップ」を痛烈に認識するに至った原点である。中東ビジネスから「憧れのアメリカ」との情報産業の世界に転職したのはもうひと昔前。 Credit Reporting=企業信用調査の、日本(100年)とアメリカ(150年)の老舗同士の合併交渉であった。張り切って交渉に臨んだが、長い交渉の末、結局破談し、唯一最大の転職の理由を失ったのだ。

日本では約束手形という仕組みがあり、そのサイト(期間)は時に「台風手形(210日後に現金化)」と言われるほど長い。他方、約束手形のシステムがないアメリカでは現金・小切手で決済され、Credit Rating(信用評点)はPayment Record/History、いかに早く払ったかという数値によるもので、資金繰り(=つまり安定度)を表す。また、日本における信用調査は「現地現認」、つまり調査対象会社に人間が訪問し事情聴取をするのが大原則。片や、アメリカでは国土の広さという理由からだけでなく、「科学的に」ということで数値を使って構成する。結果、「生産性(=一日何件の調査報告書が作れるか)に数倍の差が出てくる。

これはもう文化に根差した構造的なものだし、何とか足して2で割るわけにはいかないかと頭を悩ます基本点である。 理想的にはCredit、Trust、Confidenceに基づく「人間(信頼)関係社会Human-Relations-Oriented-Society」の実現なのだがーーー。

(社)日本在外企業協会 「グローバル経営」より転載・加筆

■ 関連サイト
・「懸賞論文」落選、負け惜しみ記



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コメント

日本の約束手形は、210日なのですか? 知りませんでした! 異常に長いですね。 ネット30日が標準であるアメリカの商習慣からすると、とんでもない差があるのですね。 日本との取引をしていて約束手形をつかまされたことはただの一度もないのですが、約束手形というのは、今でも日本の商習慣では、標準的なものなのでしょうか?非常に不思議な気がします!


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